OpenOcean(仮)→DolphORCA→標準型電子カルテ

次世代 OpenOcean

OpenOcean の方は、「全面的に作り直してほしい」という要望が多くて、検討してました。
「自分で使う電子カルテは自分でつくりたい」、「OpenDolphin 使っていたが、大幅にカスタマイズしたい」という医師の方が意外に多い。
作り直すなら参戦したい、協力したいという企業もちらほら。
今のところ

・データ構造は変えないでほしい
(ただし、画像の JPEG 保存は、医療記録としての性質上、変えた方がいい -というかこれに関する後付けの機能や素人が思いつきで手を加えたような設計はやめろ- という声が多いので、変更予定)

・UIは変えてほしい(これは dolphin の頃から言われてましたね)

・win でも Mac でも動くようにしてほしい

というような希望があるようです。

意思表示示してくれたところとは、コンタクトとってますし、少しだけですが、上記の要望に沿った形で手はつけてます。
まだまだ、アウトライン決めてるところですので、似たような希望を持たれている方がいたら、ご連絡のほどを。手は多い方がいいので。

最近だと BOOSTER TECHNOLOGY さんが、会社ブログ(https://www.booster-technology.com/blog/opendolphin)で「サーバーサイドはJavaである必要はなさそうなので、保守やカスタマイズを考えると、PHP等のスクリプト言語で作り直してもいいと思う」、「クライアントアプリケーションもJavaのデスクトップアプリである必要はなさそうなので、ブラウザで使える普通のWebシステムにし、iPadでも使えるようにすればよいと思う」という観点から、似たような考えを述べられてます。Web アプリ案件を数多く取り扱っているような会社だと割合自然な発想で「ブラウザ型に作り直し」は有力な選択肢になるかなあと思います。PHPということは Laravel あたりを考えているんでしょうか。十分ありだと思います。

あとは、これまで ORCA 連動型電子カルテの前提条件である ORCA の運営そのものにもある種の疑問が呈されるようになってきた、という事態があります。

そのような状況なので、とりあえず、公開は中止してます。

 

(追記)その後、dolphin のデータベースからデータ抜いてきて、ブラウザに表示させる簡単なコードを書いてみました。
こんな感じになります。

こっから、ブラウザタイプに改変して・・・といきたいところですが(OpenOcean はこんな感じで作ろうと思っていた)、それはそれで手間かかりますので、まあ試験的な試みです。

(追記2)さらに手入れ。

結局、WYSWYG エディタも独自実装。

DolphORCA へ

結局、dolphin のコードは全て捨て去り、上記の要望などを勘案し DolphORCA というプロジェクトが始まりました。

標準型電子カルテ

たまたまなんですが、標準型電子カルテの厚労班会議に出席する機会があったため、DolphORCA を念頭においたシステムを軽めに提案させていただきました。

 

開いたイルカ

いるかの棲む闇』コメント欄で唐突に主要な「イルカ」のステークホルダーが揃って質疑応答が始まった。

増田氏、opendolphin-m は公開されていると主張しているけど、

本人自体が HP 上で非公開にしていることを主張しているんだよね。

え?と思って確認したけど本日(2018/10/23)もしっかりアナウンスしている。

外部サイト保管: archive

公開しているのはあくまでバックポート用のものであり、別の(本来の) OpenDolphin-m があると私は認識していたのだが。

また、LSC の方が言っていたが、「増田ファクトとLSC 商用版 OpenDolphin にはデータベースの互換性はない」そうである(そうである、というのは現時点では、私は両ソフトとも持っておらず確認してみようもないから。あくまで LSC さんから聞いた伝聞です)。

いろいろ矛盾しているように思う。
ここらへん、なんでこんなわかりにくい主張するのか私もよくわからない。

(追記)

やはり、プライベートリポジトリに移行した OpenDolphin-m がある、ということでいいようです。

なお、このツィートに関して私の友人は「増田ファクト版を商品化したベンダーがいたとかで『オープンソースを営利化するのは好まない』とクローズドにした経緯があるとかなんとか。個人の好悪で公開したり引っ込めたりする人は,そもそもオープンソースプロジェクトには向かない人ですね。」と感想を漏らしてました。

私も、ほぼ同意見です。ソースをオープンにした時点で、たとえそれが自分が気に入らない人の手に渡ろうがしょうがないと諦めるしかないと思います。

PHAZOR 関係でいうと responsive-kifu なんてパクられまくってますが(この表現、私は嫌いなんですが)、それはもうしょうがないですよ。
それが嫌だったら、プロジェクトを最初からクローズドで開発すればいいわけだし。

表現が今ひとつどうかなと思うところはありますが、せっかく OpenDolphin の開発中期の貢献者としての評判はお持ちなのですから(ただし、最近の調べでは GitHub のシステムにはほとんどソースコードを提供した記録は残されていないそうですね、これは私も知りませんでした。メドレーに譲渡以降は、メドレーからは「開発者」認定はされていないようです、これはメドレー担当者から直接聞きました)、あまり他者を蔑むような表現1)はしない方がいいのでは思います。

 

(1) 厚生労働省本省判断で医療広告のガイドラインに抵触したようで(おそらく「公序良俗に反する内容」ということで)、削除要請がなされたようですね。和歌山の保健所を通じて私にも確認のための連絡がありました。
同時に患者さんと思われる一般人の個人情報を SNS で流出させた形跡があるということでこれも確認させられました。どちらかといえば、こちらの方がまずいと思います。(→現在は増田内科は閉院しているようです。こういうクチコミもありますが、そんなに評判は悪くなかったようですが)

 

猪股弘明
医師:精神科(精神保健指定医)

参考
OpenDolphin について
OpenDolphin と電子カルテの3要件とメドレー
いるかの都市伝説は本当だったか
ソースコード嫁
@masudanaika による個人情報流出ツィート
標準型電子カルテ・OpenDolphin・増田ファクトなど

 

 

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大人ベンチャー

幸いなことに DICOMViewer/PACS HorliX が好評なこともあり、それに引きづられるように OpenOcean も再評価されてきている。

まだぱらぱらと、という感じではあるが、医療ソフト関連企業からお誘いがかかるようになってきた。

先日、そのうちの一つの会社 A 社にお邪魔させてもらった。

A 社はこれまでゲーム業界で実績をつみ、その余力で電子カルテを独自開発、最近リリースした。他分野からの新規参入ということになる。

 

都内某所にあるオフィス。

もう、エントランスからしてこれまでの小規模電カルメーカーなんかとは違う。

 

なんでしょう、このお洒落な感じは?

内部には社員用のリラクシングルームなどもあったりして普通の人が想像するような「イマドキの IT 企業」である。

こういうところが電子カルテを作るようになったんだ。

 

私たちも OpenOcean というれっきとした電子カルテを持っているため競合勢力とみなされてもおかしくはないが、新規参入組は必死だ。私たちと組みたいという。

具体的な案件や電子カルテと DICOMViewer/PACS との連携の仕方といった実務的な内容はもちろん、今後の業界の在り方などにも話は及んだ。

小一時間ほど話し込んだが、最終的には和やかな感じで協力の合意にたどり着いたと思う。

 

ところで、昔ながらのユーザー囲い込みではなく、顧客の要望に応じ該当組織が得意な分野を持ち寄ってシステムを組むみたいな在り方が出てきた。誰かが「大人のベンチャーはこうじゃなきゃいけない」というようなことを言った。

つまり、子供っぽく自らの(組織としての)エゴ・都合を一方的に主張するのではなく、あくまで顧客の要望を尊重し、その準備として「大人の余裕」で共有できるもの・協力しあえることはギブ&テイクしておきましょうということだ。

「大人ベンチャー」なかなか良い言葉ではないか。

 

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