OpenDolphin を Window 7 上にインストールしてみた。
まだ設定など検討の余地はありますが、なんとか ORCA との通信はできているようです。
ちなみに ORCA は Ubuntu 上の 4.7 です。ちょっと Dolphin 側のコードに手を入れてます。
(追記)この記事書いた当時(2013 年頃ですか、けっこう昔ですね)と OpenDolphin を取り巻く状況が変わってきたため、修正。
「上記スクリーンショットは、増田内科 増田茂氏の OpenDolphin-2.3.8m を手順書に従ってインストールしたものです。」
と以前に書いてました。
これは事実なんですが(ただし、和歌山の増田内科は既に閉院しているようです。今は高槻病院所属?でしょうか)、同氏(確か循環器内科の医師)から”私の著作物をあたかも自分で作り上げたかのように振る舞う不届き者”という(今から思うと)意味不明なクレームをつけられて、そうしただけです。一応、相談にのっていただいた某組織からも「先生、よく我慢して大人の対応しましたね」と変な褒め方されました。
ただし、この件に関してはさすがに厚労省・保健所ともに許さなかったようで、当局主体で迅速に処理していただきました。
もちろん、独自カスタマイズしているわけだから、「私の著作物」という言い方は完全には間違いではないんでしょうが、細かいことをいうと、私もさらにカスタマイズ入れ始めた頃であり、上記スクリーンショットが完全に OpenDolphin-2.3.8m と同一かというと違います。いわゆる増田ファクトは、電子カルテの要件である『保存性』を担保する機能や『真正性』を担保するカルテ記載内容の抽出ツールが提供されておらず、これは危ないと思い、独自にファイルバックアップシステムの実装・データ移行ツールの作成をしていたところでした。
「手を入れて」とあるのは、このことを指しています。
その後、データ移行がうまくいき始めたため、ソフトのベースもいわゆる本家に戻してます。「カスタマイズのカスタマイズ」より「オリジナルのカスタマイズ」の方がなにかと安心ですから。
おそらくこういった「導入は増田ファクトで(当時としては、確かによくできた導入環境でした。ただし、導入手順書にしてももっぱら windows 前提で、Mac OSX へのインストールなどはまったく触れられていませんでした。また、院内 SE などを抱えて自力導入している施設では、セキュリティ的な観点から当然ですが本家版を Linux にインストールして運用しており、あくまで IT 素人の開業医が初めて電子カルテの導入する際にはまあまあ「よくできた導入環境でした」という意味です。その後、本家版の windows へのデプロイ方法が知られるようになり、原則 windows でしか動かない増田ファクトをあえて導入する意義はさらに減じたと思われます)。ある程度、様子がわかってきたら、さらにカスタマイズ。その後は、独自路線を突き進むなり本家に戻るなりして開発を継続」といったパターンは多かったと思います。オープンソースの本来の意義からすれば、割合、自然なことだと思うのですが。
それはともかく opendolphin 自体を「私の著作物」といってしまったり、本来、商標に成りえない「m」という表記に対して排他的独占権を主張したり、誰が書いても同じような言い回しになる定型文に著作権を主張したりするのは、ちょっとどうかと思います。
最近になると、かなり高名な先生もドルフィンプロジェクトの運営自体に関して疑念を表明しており、彼らの主張を額面通り受け取れない状況になってきている。
(参考)『いるかの住む闇』や『「いるか」の都市伝説は本当だったか?』『開いたイルカ再び』などをご参照ください。
特に後者の「そもそも GPL を適用すること自体が、けっこう無理筋なプロジェクト」だったのではないかという指摘は、日を追うごとに説得力が増していっているように思える。
GitHub リポジトリでのプルリク・コードレビューがほぼない、なんて話を聞くとこれは一体なんだったんだろうという気持ちになる。
例えば、公的な立場でドルフィンプロジェクトを支援した当局もこの観点からプロジェクト自体の検証を開始している(ただし、かなり前のプロジェクトであるから、いわゆる不正告発制度の本調査に入るかどうかは微妙。だが、まったく放置しておくにはいかないという状況になってしまったということだと思う)。
また FSF(Free Software Foundatioon)も下記の事情があることから、「判断が難しい」としながらも「純然たるGPLとは言えない」と一定の評価をくだした。
今では広く認識されていることだが、「本家」と称される LSC 版には、かなり以前のバージョンからオラクルのサンプルコードがそのまま流用されているし、2.3m 時代の増田ファクトには dcm4che (という PACS サーバ)のコードが含まれていた。
他者の作成したコードを再利用すること自体は、オープンソースの特性ゆえ問題ないのだが、問題となるのは、以前のLSCがこれらの事実を伏せて特定のソースコード提供者のみを優遇していたことや、増田さんに至ってはよくわからない理由(私がライセンス違反なんだそうだ)でソースコードの一般公開をやめてしまっていることだ。
彼らの解釈(ソースコードを提供したものはすべてクレジットされなければならない云々みたいなやつ)からしたら、GPL 違反をしているのは増田さんなんだけどね。
なお、当方は、こういう面倒な問題を「いちいち気にする」のが嫌なので、ソースコード自体を一般公開するという方針を取っている。
実際、その後、当のドルフィンのソースコード上で、それまで開発者とされていた皆川・増田・松村以外のソースコード提供者の署名が複数確認されており、現在では(特に事業譲渡がなされた 2022 以降、彼らを「開発者」として認定している人はそう多くないようです)
そういう経緯もあってか、以前の商用版の開発元であった LSC (ただし、現在は運営権などもメドレーに移管)も「商用版とオープンソース版は基本的には別物と考えてほしい。他組織での独自カスタマイズはむしろ奨励している」というふうに方針を変えた(これは確認を取った、というか LSC の方がわざわざ会いにきてくれた。そして以前の運営方針で(私のみならず)関与した方にかなりの迷惑をかけたことを謝罪してくれた。メドレーの担当者の方も全くこの件に関しては関与していないにも関わらずご丁寧にも迷惑をかけたことを遺憾に思う旨のご連絡をいただいた)。
このプロジェクトのオープンソースの妥当性は、もうかなり疑わしいのだが、このプロジェクトをオープンソースの理想の実現とみたい人たち、例えば、和歌山の増田茂氏や京都大の小林慎治氏(現在は国立保健医療科学院)や皆川和史氏などはそうは考えていないようだ。理想論はもちろんあってもいいが、どういうわけかこの手の人たちは、いまだに事実を捻じ曲げて解釈している。
今となっては、OpenDolphin の商用版は、全身の e-Dolphin プロジェクトに大きく依存していることがわかっている。『OpenDolphin -wiki風解説-』で詳しく説明されているが、ソースコードのそこかしこに e-Dolphin 時代に関与したと思われる開発者の名前が散見される。その多くは基本設計の根幹に関わる部分だ。
また、開発元の LSC → メドレー移管(譲渡)で、それまで開発者と広報されてきた人たちの著作権は軒並み消滅している。
これらの事実を踏まえると、当時の商用開発元が、e-Dolphin 時代に開発されたソースコードを行政の後押しの下(著作権の表記権ごと)買い取り、この事実を隠蔽して「オープンソースの電子カルテ」に仕立て上げた、というシナリオが浮かび上がってくる。多分に推測も含むが、そう大きくは間違っていないと思う。
話が逸れたが、彼らの主張の明らかに間違いの一つに、私の OpenDolphin-2.7m が LSC 版の直接のフォークではなく、増田内科版のフォークだと主張していたことがある。経緯から思い込みで言ったのだと思うが、いくらなんでもこれはひどい。ちなみに 2.7m が世間での評判をとる以前、増田茂はどこかで「増田ファクトと 2.7m は関係ない」と言っていたそうだから、主張に一貫性もない。
ちゃんとソースを追っていけばわかるように、上述のように 2.7m は、LSC 版の直接フォーク、どちらかといえばファイルバックアップ機能とバグフィックスに重きを置いたフォークになっている。
OpenDolphin には直接タッチしていない小林さんが勘違いするのはわからないでもないが(→ただ、現所属機関の医療保健学院は私ほど甘くはなく、事実誤認に基づくネット上での表現などは国家公務員法違反疑いにあたるとして厳重注意処分)、基本設計をしたとされる皆川さんが間違うのはまったく理解できない。また、皆川さんはどこかで「MIT ライセンスにしておけばよかった」とのたまわったそうだが、これは無理な話だ。いくつかのサンプルコードは GPL でライセンスされているので、それを勝手に MIT ライセンスに変えることはできない。
また、この時期には増田茂医師は既に自身の OpenDolphin はソースコードを「一般」公開しておらず(なお、この行為は上記の理由もあって GPL 違反の可能性が指摘されている)、私がフォークなぞできるはずもないのだ。なんで、論理的に間違ったことを主張するのかわからない(ついでで言っておくと dolphin とは直接関係はないのだが、増田茂は医療広告規制ガイドラインで厚労省から行政指導を、和歌山保健所から患者保護の観点から厳重注意を受けている)。
なお、国費を投じられ、一時期とはいえそれなりに普及したプロジェクトであることから、現在の状況は理想的とはとても思えず、関係者で今後の方針などを模索しているところです。特に、商用プロダクツとして提供しているベンダーは、関心は高いようで、軽い打ち合わせ程度の内容だが、いくつかのベンダーさんから連絡をいただいてます。
(追記2)メドレーに開発元が移って状況はさらに変わりました。
メドレー自体が「OpenDolphin は GPL に従う必要はない」とかなりはっきり言うようになった。
増田さんの取り扱いに至っては(はっきりと言ったわけではないですが)「契約上、著作権者として取り扱っていただけ」のようです。
それまでにも
医学部しか出ておらず(=プログラミングの系統だったトレーニングを受けていない)、かつ、それまで学術的な業績がほぼゼロ(=研究・開発の経験なし)の医師が突然 Java でプロ級のコードを書くのは不可能に近い
というようなことを言う人は多かったですね。
どういう契約だったのか知る由もないですが、実態としては当人が言うほどには関与はしていなかったんでしょうね。
確かに GitHub 上でもコードを提供した痕跡はほとんど残されていませんね。
猪股弘明(医師:精神科医:精神保健指定医)
OpenDolphin-2.7m, HorliX 開発者
なお、本家 OpenDolphin 2.7.0.b とその私の改良版 OpenDolphin-2.7m の windows10 へのインストール方法は、こちらで。
Mac OSX など Unix 系 OS への導入は、
『OpenDolphin-2.7(m)を Mac OSX へインストールする』
などを参考にしてください。
上で触れた機能(ファイルバックアップ機能)は OpenDolphin-2.7m を経て OpenOcean に引き継がれています。OpenOcean のインストール(ビルド・デプロイ)方法は
『OpenOcean を Windows 10 にインストールする』
をご参照ください。
なお、説明する際の簡便性から、ファイルバックアップシステムを実装した後に、データ移行ツールを作成したと言っているが、実際は、違う。
ちょうどこの逆だ。
データ移行ツールの副産物として、ロジックをやや簡略化したファイルバックアップシステムをドルフィン本体に実装した、というのが本当のところ。
データ移行ツール自体は、OpenDolphin HTML/PDF Viewer を経て DolphORCA プロジェクトを構成する基礎技術の一つとして使われている。
→ OpenOcean は、
・上述のような背景があること
・以前から「全面書き直し」してほしいという要望があったこと
などから、現在は公開を停止。基本的な設計コンセプトを検討しているところです(余談ですが、これには近年のスクリプト系言語のウェブフレームワークの成長も背後にあります。「Java と JavaScript の立場が逆転した」みたいな表現がなされています。とある会社は PHP で書き直したいそうです)。
例えば、ファイルバックアップシステムの延長線上にあると思うのですが、カルテデータの2次利用を強く意識した構成にしてはどうか?というような要望が出ています。
いきなり高度な診断支援は無理だと思いますが、カルテ記載内容の統計処理・テキストマイニングなどは興味深い試みだと思います。
→ 結局、OpenOcean も DolphORCA に吸収された。
DolphORCA は、データベースレベルでもカルテ記載内容はテキストとして取り扱っているので、データの2次利用はしやすいはずだ。
また、3-tier クラサバ構成を採用したので、例えば、問診内容の取り込みはフロントエンドサーバーを介して構成しやすいはずだし、AI によるデータの解釈などはバックエンドサーバーと情報をやり取りすることで実現しやすいと思う。
2023年現在では OpenDolphin は実務に供することはそう多くないと思いますが、医療情報系の各種会合などではいまだに話題になるし、その歴史的意義みたいなことに関してはまだうまく評価されていないという印象を個人的には持っています。
私自身、公的な席ではなるべく根拠をあげて(文献・ソースコードを参照するなど)、正確な説明をするよう心がけています。
が、その一方で、商用利用時の宣伝を鵜呑みにして、なんの検証もせずに、現在ではほぼ誤りと考えられている情報を発信する人がいます。
そのため、というわけではないのですが、動画なども作成しています。
『標準型電子カルテ・OpenDolphin・増田ファクトなど』
参考
『OpenDolphin と電子カルテの3要件とメドレー』
電子カルテは満たすべき三つの条件がありますが、初学者にはわかりにくいため OpenDolphin と絡めてどうやったらこの条件をクリアできるか?を意識して書いた記事。ネット上ではかなり参照されているようです。
『オープンソースと知財権に関するちょっと小難しい話』
前期 LSC が競合に商標に関する異議申し立てを行った結果の解説記事。
結果的には LSC の訴えは完全に退けられてます。
『OpenDolphin -wiki 風解説-』
現在では、OpenDolphin に関する網羅的な解説がもっとも充実している記事。
『OpenDolphin -wiki 風解説 beta-』
上記記事がネット上でかなり参照されるようになってきたため、推測めいた記載がしにくくなった。もうちょっと気楽に推測や感想などを記載するために派生した記事。
『横から見た OpenDolphin-2.7m』
諸々の事情から「増田茂は実際にはコーディングしていなかったのではないか? それまでのソースの @author(コーディング時の署名)の書き換え、業者作成コードの自分名義での発表だったのではないか」と言われるようになってきました。その根拠を挙げています。
この真偽は置いておいても、少なくとも(個人的には)「X(twitter)アカウント @masudanaika は、システムクラフト杉原利彦氏との共同利用」だったと思っています。
『@masudanaika による個人情報流出ツィート』
上述の「増田茂は医療広告規制ガイドラインで厚労省から行政指導を、和歌山保健所から患者保護の観点から厳重注意を受けている」の件をまとめてみました。
ちなみに構築環境は
Netbeans 7.2
JBOSS-7.1.1
なお、JBOSS は 4 から 7 に変わって起動するときに run コマンドは廃止された。 あたりを編集して解決。
ドルフィンサーバーに他マシンクライアントからアクセスする場合には、4 時代は
run -b 0.0.0.0 (だったかな?)
で起動しろみたいなことが書いてあったが、7 になってこれはできない。
他マシンからアクセスできない???? と悩んだが、
¥jboss-7.1.*¥standalone¥configure¥standalone.xml
の
こんにちは。
その節はありがとうございました。
http://www.systemcraft.co.jp/?page_id=51
なんてのもありました。
「ブランド化」したいのかな?
情報ありがとうございます。
オープンソースを謳っていながら、実際、構築するのは、オープンソースでもなんでもないっていう(笑)。
ここまで主張しておきながら、自分が人のを「パクって」いるという。
アイキャッチは、Mac の画面ですよね。
確か増田ファクトは windows 向けですから、ここからも PHAZOR版OpenDolphin や OpenOcean は、増田ファクトとは関係が薄いって推測できます。
増田氏の導入手順書はよくできていたと思います。
ただ、ご指摘の通り、Mac に関する記載はなく、OS X にインストール場合には、直接には役に立たないと思います。参考にはなると思いますが。
また、フォークは、本家 → OpenDolphin-2.7m → OpenOcean の順なので、増田ファクトは入っていません。たまに、間違って解釈している人がいますね。
まずは、簡単にお返事まで。