血糖値スパイクの謎

薬子
先生、今月のうちのブログのアクセス解析の結果はどうですか?
nomad
順調、右肩上がりだね。
薬子
検索語句の方はどうでしょう?
nomad
糖尿病関連が多いかな。

「DDP-4 インクレチン」

「2 型糖尿病 血糖値スパイク

ん?

血糖値スパイク、なんだそれ?

 

血糖値スパイク、調べてみると、なんのことはない以前から「隠れ糖尿病」・「食後高血糖」・「グルコーススパイク」として知られていた病態のことだ。どうやら某放送局の特集番組が、この病態の啓蒙?のためにつくった言葉のようだ。ネーミングのセンス自体はいいと思う。(なお、「ペットボトル症候群」をこれに含めているサイトもあるようだが、私の理解ではこれは違う。ペットボトル症候群は、ペットボトル系の清涼飲料水を飲んだことがきっかけにおこる「糖尿病性高血糖」だろう。血糖値の大きさ・高血糖持続時間が「血糖値スパイク」とは全然違う)

で、件の「血糖値スパイク」だが、以前に「なぜ、高血糖がまずいのか?」という説明で「通常の人でも食後数時間は高血糖の状態になることはあります。ですが、通常の食生活をしている人が重篤な疾患になるかというとそういうことはありません。」とかなりはっきりと書いたが、いや、そうではない、その「食後数時間は高血糖の状態」というのが「血糖値スパイク」で、将来的に「重篤な疾患」につながるかなり危険な状態なのだ、という考え方だ。この考え方を普及させる目的で、啓蒙・注意喚起の番組がつくられたという流れのようだ。さらに言えば、その番組ではその対策として「食べる順序(野菜から先に食べましょう、というよくあるアレ)」を奨励していたそうだ。また、巷では「糖質制限食」が話題になっているようだ。

んー、なんだろうな、この流れ。最近わかってきたことが、まるで確定された事実であるかのような報道のされ方。元の疾患よりもその予備群の方が危険であるかのような表現。対策にしても、「食べる順序」は当たり前すぎるし、「糖質制限食」は調べても具体的な献立例は出てこないし‥‥。まるで、不安商ホ、ごほっごほっのような。。。

ところで本ブログでは、これまで個人的な病気体験談のようなものは、なるべく載せないようにしてきた。一般性が担保されない個人的な体験談を押し付けてもしょうがないだろう、と思っていたからだ。だが、今回ばかりはそうもいっていられない。曖昧な形で流布されているものに、正論をふりかざしても、ね 。

実のところ、私は、以前に食後高血糖であったし、その後、我流の治療で(おそらく)治癒した。

食後高血糖は、しばしば「自覚症状がない」と言われているが、私の場合はあった。食後すぐはなんともないのだが、1~2 時間すると多少イライラしだし、感覚異常(皮膚や聴覚が過敏になった)が出現、また、それが気になって仕事に集中できなくなった。もっとも、放置していても、数時間もすると勝手に治ってしまうので、最初の頃は、あまり気にしていなかった。けれど、こういう体験が 2・3 回続くと、さすがに気になってくる。

まず、自分なりに病態を分析してみた。

症状が出るのは、特定の条件下に限られていた。具体的には、遅刻防止のために朝食(よりによって菓子パンとか)をさっと食べたり、昼休みが 30 分程度しかとれなくなったときに麺類などを文字通りかきこんだりした後だ。ここから、まあ、食後高血糖なんだろうなとアタリはついた。10 代や 20 代とちがって基礎代謝も落ちているだろうし、年齢(というか生活状況)に応じた食生活がとれていないのだろう。

次に症状の内容。イライラする、というのは時系列的に考えて低血糖の症状だろう。私は、高血糖になるとそれに反応してインスリンがばんばん出るタイプなのだろう。感覚異常はよくわからなかったが、イライラの後に出ることから考えて、低血糖補正のために分泌される各種ホルモン(グルカゴンだとかコルチゾルだとか)か急激な血糖値の上昇のせいだと思った。

ちなみにこの持論を携えて病院にいったこともある。担当医がいうには「そこまでわかっているのだったら、自力でなんとかしてください」とのこと。なお、HbA1c や OGTT 検査の結果はまったくの正常。なんか、突き離されたような気分にもなったが、救急が主体のまともな病院なら至極当たり前の対応かもしれない。血糖コントロール不良による低血糖や高血糖(糖尿病性ケトアシドーシス・高浸透圧性高血糖)の方がダイレクトに生死に直結する。ええ、なんとかしてみましょう。

では、実際におこなったことで有効だったと思われることを書く。

まず、早食いはやめるようにした。どうしても、という場合には、コンビニなどで売っている携帯ゼリー飲料(ウイ〇ーだとか)で凌ぐ。当時は、それこそ、「糖分控えめ、アミノ酸多め」だとかうってつけの商品も充実していた。ちなみに気になるカロリーは 1 パック 100kcal ほど。1 日に16 パック食してもカロリーを摂りすぎるということはないし、たぶん 2 パックも飲めば、小腹は満たせる。

また、ワンコインレストランをよく利用するようになった。食べる順序が重要、というが、まともなコース料理は、たいていその順序で皿が提供されている。前菜(サラダや各種オードブル)→メイン(魚・肉)→主食(パスタ・ご飯)→デザート(炭水化物の塊)と何の問題もない。しかも美味しい。ただ、毎食毎食コース料理というわけにもいかないから、一皿 500 円の小皿料理に力を入れているような店に入る。これなら、自炊とは無縁の独身男性でも可能だろう。イタリアンであれば、グラスワインをかたむけつつ、カプレーゼ(だとかその手の前菜)→軽い肉料理→ピザ・パスタ→パンナコッタ(とかティラミスとか)の順で頼む。居酒屋であれば、お通し・サラダ→お刺身→焼き鳥→お茶漬け・おにぎり→デザートの順で頼む(というか、意識しないでも普通この順番で食べるだろう、頼まなくてもキャベツがどんと出てくるところもあるし)。

生活習慣でいえば、意識して運動する機会をもうけるようにはした。けれども、早起きしてのジョギング、だとかは長続きしないはずなので、避けた。週末に集中して散歩したり、なるべく遠出してのショッピングを楽しむようにした。また、ヨガなどのゆったりとした動きで、それなりにカロリーを消費する運動に取り組んだ。

理想的にはより厳格な食事療法や運動療法が望ましいのだろうが、私の場合、この程度のことを 2・3 ヶ月実行していたら、あっさり症状はなくなってしまった。

依存症治療の最近の考え方にも通じると思うが、あまりに高い目標を決めて成功・挫折を繰り返すよりは、到達しやすい目標を設定して失敗してもいいから何度もチャレンジしていく方が最終的な結果は良いように思う

「血糖値スパイク」とそれに対する対処としてかなり具体的なことを述べたつもりですが、いかがなものでしょうか?

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