そうだ、猫に会いにいこう

実質、『猫のいる病院』の続編。

最近、忙しくなったのもしょうがないかあと思っていたのだが、先日、ベッドにどすんと腰を下ろした瞬間に大量の鼻出血。
私の場合、諸々の疲れがたまるとこうなる。
さすがにやばいと思った私は、猫をモフりに某病院に向かうのであった。

(元)ボス猫は顔つきも精悍。白黒は舎弟感出てる(笑)。
↓ ふみふみしている様子も動画におさめてみました。

なお、猫がいるこの病院は、隔離・拘束患者はほとんどいない。正直、楽だ。
必然、拘束患者は目立つので病歴などをチェックする。ある患者さん(知的障害)の黄紙(医療保護入院をさせるとき指定医が記載する黄色の所定の用紙)を読むと…

200x. x 月、家族に対する暴力が止まらず、都立松沢病院医療保護入院(初回)。

って僕が初期研修医二年目のとき、病院のどこかにいた患者さんじゃん。
その後も何回か入院しているので、ひょっとすると僕が担当してたかもだね。

黄紙によれば、松沢をめでたく卒業された後は、郊外の病院で社会復帰に向けた治療が継続。数年前より、遂に自宅への帰還を果たしたそうだ。
今回は、作業所で軽い威嚇行為があったそうだが、どちらかといえば、スタッフにかまってほしい故のアピール的行為のようだ。猫にたとえていうなら「甘噛み」みたいなもんだろうか。
今回も周囲のスタッフを休ませるための変則的な休息入院的意味合いが強い。
松沢初回入院時に100キロ近くあった体重(当然DM持ち)も、70キロ程度に落ちDMの薬は現在不要になっていた。空腹感にも耐えられるようになったんだ。えらいな。
夜間の他患への干渉防止目的で胴抑制だが、それを受ける姿にも強く抵抗する様子はみられない。

君は、この10年よくがんばったね

と少し嬉しくなりながら、心の中で思うのであった。
衝動的な暴力により強制入院させるしかなかった患者が10年かけて地域に戻る。どちらかといえば地味な症例かもしれない。
でも、私には、これが近代日本精神医療のささやかな勝利のように思えるのだ。

 

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