精神保健指定医講習会

精神科領域では、「精神保健指定医」なる資格がある。
患者さんに「自傷・他害のおそれ」がある場合、誰かが入院・隔離・拘束などを決めなくてはいけないが、これは基本的人権を侵害することにもあたるので、国から「指定」された医師がおこなうことになっている。なので「指定医」などと呼ばれている。
精神科病院で当直などをする場合、ないと仕事にならない場合が多いので、これだけはメンテしないといけない。
大抵の精神科医は、臨床でいっぱいいっぱいの時に取る資格なので、以前にその取り方が問題になったりもした。

私も保持しているが、指定医を規定している精神保健福祉法の改正などがあるため、5年に1度は決められた講習を受けなくてはいけない。
先日、講習会があったため、私も参加した。本年度、最終だったため、会場は人でいっぱい。

午前は、最新統計などチェックできたりするので、興味深く聞けた。措置入院の数が微増しているのは意外だった。拘束の数減らすより、こちらの件数減らす方が、(長い目で見ると)優先じゃないかなあ、などと思った。

午後は眠気との闘いになる。

次回からは、意見書いたりする形式に変わるとか。
かなり実務的な資格なので、そちらの形式の方がいいように思う。

 

🌟精神保健指定医と私というと『精神保健指定医レポート作成マニュアル』ということになるかと思いますが、現在は、諸々の事情で Puboo での配信を停止、amazon  のみでの配布になっております。
改訂したいんですけどね。時間の関係で…ごにょごにょ。

ゲーム療法

昔、将棋 AI さらには機械学習まで手を出したくて、古典的な手法でリバーシのプログラムを書いたことがある。

Reversi -AI の基本-

よかったら遊んでみてください。クッソ弱いですが。

なお、うつ病の回復過程で単純なゲームをやると効果的な場合があって、それはたぶん、頭脳に適度な負荷をかけてちょっとした達成感を味わうのが集中力を取り戻すのに適しているからでしょう。密かに『ゲーム療法』と呼んでいましたw
他には『コミック療法』 だとか『安っぽい歌謡曲聴きまくり療法』というのもありますが、それは機会があったらおいおい。

 

2019 上半期 メンクリ外来

ちょっと以前から、東京は五反田駅前にある『五反田駅前メンタルクリニック』というところで

水曜日 午後 3:30 〜 8:00

で外来を持っています。

ピンチヒッターがそのまま毎打席バッターボックスに立っているみたいな感じなんですが、4月くらいまではオープンしておきますので、よろしかったらぜひお立ち寄りください。

猪股弘明(精神保健指定医)

 

そうだ、猫に会いにいこう

実質、『猫のいる病院』の続編。

最近、忙しくなったのもしょうがないかあと思っていたのだが、先日、ベッドにどすんと腰を下ろした瞬間に大量の鼻出血。
私の場合、諸々の疲れがたまるとこうなる。
さすがにやばいと思った私は、猫をモフりに某病院に向かうのであった。

(元)ボス猫は顔つきも精悍。白黒は舎弟感出てる(笑)。
↓ ふみふみしている様子も動画におさめてみました。

なお、猫がいるこの病院は、隔離・拘束患者はほとんどいない。正直、楽だ。
必然、拘束患者は目立つので病歴などをチェックする。ある患者さん(知的障害)の黄紙(医療保護入院をさせるとき指定医が記載する黄色の所定の用紙)を読むと…

200x. x 月、家族に対する暴力が止まらず、都立松沢病院医療保護入院(初回)。

って僕が初期研修医二年目のとき、病院のどこかにいた患者さんじゃん。
その後も何回か入院しているので、ひょっとすると僕が担当してたかもだね。

黄紙によれば、松沢をめでたく卒業された後は、郊外の病院で社会復帰に向けた治療が継続。数年前より、遂に自宅への帰還を果たしたそうだ。
今回は、作業所で軽い威嚇行為があったそうだが、どちらかといえば、スタッフにかまってほしい故のアピール的行為のようだ。猫にたとえていうなら「甘噛み」みたいなもんだろうか。
今回も周囲のスタッフを休ませるための変則的な休息入院的意味合いが強い。
松沢初回入院時に100キロ近くあった体重(当然DM持ち)も、70キロ程度に落ちDMの薬は現在不要になっていた。空腹感にも耐えられるようになったんだ。えらいな。
夜間の他患への干渉防止目的で胴抑制だが、それを受ける姿にも強く抵抗する様子はみられない。

君は、この10年よくがんばったね

と少し嬉しくなりながら、心の中で思うのであった。
衝動的な暴力により強制入院させるしかなかった患者が10年かけて地域に戻る。どちらかといえば地味な症例かもしれない。
でも、私には、これが近代日本精神医療のささやかな勝利のように思えるのだ。

 

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猫のいる病院

先日精神科病院に営業&開発に行ってきた時の話。
まず、建物外観に軽くときめく。


今どき、こんな昔ながらの精神病院精神病院した建物ってなかなかない。
古いが手入れはちゃんといき届いている。
まず、猫ちゃんがスリスリとお出迎え。


良い精神病院にはアイドル猫がいるものだが、ちゃんといた。
フレンドリーな職員さんに聞くと「以前は茶トラがこの地域のボス猫で白黒ブチをボコボコにしていた。ある時、ボランティア団体が去勢手術をしてボス猫の性格が一変。二人は仲良しになった」ということだった。
エピソードも完璧に近い。
しかし、その頃の名残なのか白黒ブチは今もボス猫の背中をふみふみ。


可愛すぎる。

管理職との方と2時間ほどお話してきたが、そのときの細かい話はビジネスっぽくなるので割愛。ただ、建物は現在の基準にあっておらず建て替えざるを得ない、経営的に苦しくなるが地域のためにも何としても精神医療は継続していきたいとのことだった。ぜひ、継続させてください。
まったくアタリの病院で、一回でファンになってしまったのだった。
あ、当直もしてきました。指定医業務もまっとうしたかと。

 

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