小保方-笹井事件と不正告発制度

STAP 騒動だとか小保方-笹井事件だとか云われているものは、マスコミにニュースネタを提供しただけなく、今も研究・開発の現場に影響を与えている。

この事件をきっかけに

研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン

というものが文部科学省で定められたからだ。

これを受けて国の研究関連予算の分配機関を中心に組織毎に研究上の不正に関する規定・ガイドラインを設けるようになった。
ネット上で窓口を設けているところも多い。

・問題となった組織を抱えていた JST (科学技術振興機構)。

・文部科学省直接にはここ

・経済産業省管轄でも同様の窓口が新設された。

不正告発というわけではないが、各大学でも公益通報の窓口を設けている。例えば、京都大学はここ

私自身は、国から大型の予算を直接受領したことは一度もないし、そもそも自分が純粋な研究者だとも思っていないが、分配を受けた組織で働いていたことは過去にあるソフト開発などもやっている関係上、当局から関連領域の関与者とみなされたりもする。

そのせいか協力を求められている案件がいくつかある。主に資料提出要請だが、昨年(2018)は当局に直接出向いた。

こういった制度ができる前は、今でいう「不正」がかなりの頻度であったことは認識しているし、それで泣いた人も身近によくいた。

この制度の特に運用面に関しては言いたこともあるのだが、まずは、被害にあった人の無念のようなものが晴らされれば良いのになあと思う。

 

(追記)ところで、「研究不正」というとこのSTAP細胞事件を念頭においてコメントしている人が多いのだが、臨床研究ガラミで実際の臨床現場に影響を与えているのは、ディオバン事件とそれがきっかけで成立した『臨床研究法』の方だろう。

図式的に言えば、

基礎研究よりの不正ーSTAP細胞事件→ガイドラインの制定
臨床研究よりの不正ーディオバン事件→臨床研究法の制定

なのだ。
両者は、運用形態や対象とする範囲が違うし、そもそもガイドラインと法律では、強制力が違う。

 

猪股弘明精神保健指定医

 

 

下から見た ERATO

うちの air 氏(笑)、湘南鎌倉の斎藤先生を表敬訪問。

「この才能豊かな天才的 Software (+ Hardware) Engineer」(『いるかの棲む闇』より)ってベタ褒めじゃん。いーなー。

色々不都合ある内容なので先生消されたかな? こんな感じの記事でした。興味ある方は覗いてみてください。

いーなー、air さん(棒読み)。


ただ、齋藤先生のこの記事、私系列と air 系列の混交が見られる(わざとやってそうだがw)。

ネット上などでは、基本、

医師 = H. Inomata (猪股弘明)

エンジニア = air-h-128k-il

設定で通している。私は、医学生・医師になってからもエンジニア仕事はたびたび引き受けており、ちょっとした案件で「あ、お医者さんなんですかー、なんでまた?」みたいな面倒臭い展開を避けるためにそうしている。最初に「エンジニアです」と言い切っておけば、まず疑われることはない。
(ただし、臨床業務やプライベート諸々でネットやっている時間がないような場合は、air-h-128k-il の方のアカウントは技術系に明るい知人などに運用してもらってます。過去にも何度かありました)

あと、時系列が若干おかしく、私が「開いたイルカ」プロジェクトの一部から迫害をうけていたのは、クリニックを閉じる直前(2015年末)~今年の 7 月くらいまでだ。

また、死亡説を流したのも、イルカ絡みも確かにあるが、一部東京医大関係者からの追手をまくため。

有難いことに両者ともほぼ自爆してくれたので、私はようやく大手を振って表通りを歩けるようになったのだ。悪いことって長く続かないものだね。HorliX の問答無用の強さもあるが。

イルカはよく指摘されているようにコメント周りのバグがある。例えば、通院精神療法絡みのコメントをスタンプに移動させることができない。私のできる。開業時に精神科を標榜する場合、通院精神療法を取らなければいけないので当然だ。

ところが、イルカ開発元の方針でイルカは「純正品」を限定して他のプロダクツを「類似商品」としているため、私のリポジトリからバックポートを受けられない。その結果、現在(2018年10月)でもバグが残ったままになっている。(→これは、その後の状況の変化でかなり変わってきている。本家 LSC さんも「商用版とオープンソース版は別物とお考えください。商用版はフォークして独自機能を追加していただいてけっこうです。プルリクエストも考慮します」と方針を変えてきている。悪い膿が出て、膠着状態を脱してきた感じだ)

向うも困っているのか人を介して元プロダクトマネージャーの方から、オープンソース版のとりまとめ役になってくれないかという依頼もあったが、それまでにかなり不愉快な思いをさせられたことと HorliX の開発が待っていたため、流石にこれはお断りさせてもらった。(その後もお世辞だとは思いますが LSC さんの方から「中心になってもらって・・・」という感じで直接何回かお声をかけてもらったこともあります。有り難い限り。さらに、その後、メドレーさんに運営権がうつりましたが、こちらからもたまにですが連絡などもらってます。なお、担当者はかなりユニークな方です)

プライドかなぐり捨てて私に頼むくらいだから、本家の開発能力はかなり落ちているのではないかと思う。→結局、メドレーに事業譲渡。今後は、既存ユーザーに対するメンテのみおこなうようです。
ただ、私のバージョンは、商用版とは独立して自力で導入している施設などからたまに技術内容に関して相談を受けるので、細々とながらメンテを続けています。
現在でも動くことは動きますし。

また、東京医大の自爆っぷりは、ニュースなどでさんざん報じられたと思うのでここで繰り返すまでもないでしょう。

 

なんでエンジニア資質がここまで残っているのかリアルでも驚かれることがあるが、それはたぶん、学部の時から ERATO という研究プロジェクトで働いていたため(と医学生時代のプログラマ業務。が、これは別で書いてます)。

私は、学部 4 年次にも大学研究室とは別にさる ERATO のプロジェクトでれっきとした「技術員」として働いていた。当時の ERATO は管理が緩かったのだ。このプロジェクトでやっていたのは、STM (Scanning Tunneling Microscopy: 走査型トンネル顕微鏡)の製作。STM の探針を使ってナノメーターレベルでの原子操作を狙っていたため、市販の装置では役不足で、自力で STM を作る必要があったのだ。

その当時の写真を一枚。

白髪の体格の良い外人さんが 1986 年、STM の開発でノーベル物理学賞を受賞した H. Rohrer 博士。日本に常駐してわれわれを直接指導…ということはなくて、確か顧問だったか何かで、まあ、これはほぼ接待といっていい歓迎会の一コマ。ノーベル賞受賞者を呼べるくらいの組織ではあったというアピールです、はい。

肖像権の問題にも配慮して、顔写真などを公開している方をのぞきモザイクはかけたが、みなさんこの後、いわゆるナノテクノロジーという領域でそれなりのポジションを得ている方々ばかり。

学部4年の段階でこの中に放り込まれれば、そらさすがに技術力つくでしょという環境でした。何度も溺れかけたが、最後は対岸に泳ぎついたと思う。エンジニアには飛躍的にその能力を伸ばす時期があると思うが、私の場合は、間違いなくこの時期。ここで2年ほどみっちり鍛えられた後は、どこいっても通用した。

大学の研究室にも所属はしていたが、こちらでの仕事の方が面白くなり、結局、ERATO での成果で卒論を書いて大学を卒業することになったのだった。

 


ERATO の件は、話がこれで終わっていれば、めでたしめでたし、というか美談の部類に入ると思うのだが、時代背景もあって残念ながらそうはなっていない。

プロジェクト内で評価されていなかったわけではない。例えば、J-GLOBAL で「STM 猪股弘明」あたりで検索をかけると、こんな検索結果が得られる。

口頭発表とはいえ、学会要旨4本に名前を載せているのは身分(学部4年)を考えるとできすぎともいえる。

『STM による超高真空中表面加工における探針形状の変化』は、その後、学会英文誌にも発表され( Fabrication of Atomic-Scale Structure on Si(111)-7×7 Using a Sccanning Tunneling Microscope(STM), JJAP(1992) pp4501-4503 )、その謝辞に私の名前も

 

としっかりとクレジットされている。実験の意味を把握した上でひたすら SEM の写真を撮り続けたのだから今の基準で行けば Data Acquisition ということで正規クレジットされてもいいくらいだと思うが、まあ、あの業界の当時の雰囲気を考えると致し方ない面もある。

なんだけど問題は

“Detection of Single Atom Extraction and Deposition Events during Nanolithographic Processing of Silicon with a Scanning Tunneling Microscope.” Proc. Jpn. Acad. Ser. B, Vol.69, No.5, p.101-106 (1993.05)
F. Grey, D. H. Huang, A. Kobayashi, E. J. Snyder, H. Uchida and M. Aono

あたりなんだな。
これは不審な点があって、まじで調査中。

しかし、なんでこんなことしたかなあ。

私なんぞ、ECT で口頭発表したときは(「猪股弘明 ECT」あたりで検索かけるとぱらぱらとでてきます)

という具合にそのときの病棟在籍医師(都立松沢病院のD40棟)すべてクレジットしたけどね。

 


あ、あと、データベースによっては私は別人登録されているみたいですが、上記の STM 関係の著者と ECT 関係の著者HorliX の開発者は同一人物ですので、そこらへんよろしくお願いします。

物理学と精神医学と医療情報と分野が飛びまくってるので、なかなか同一人物の著作・作品と認識されずたまに困るときがあります。別人扱いで都合良いときもあるんですが。

 

猪股弘明(精神科医)

 

電子カルテ記載内容をテキスト処理したい

電子カルテのテキストマイニングに関連して。

MENTAT というのがあるらしい。
https://www.mentat.jp/jp/service/

精神科カルテからテキストデータ抜いてきて IBM ワトソンで解析、治療の難しさなどを評価・予測しカンファレンスなどで使われるらしい。

だからどうしたと言われそうだが、未来感みたいなのはある。

問題は予測精度だと思うので、関係者に問合せ中。

 

なお、私自身も OpenDolphin-2.7m というオープンソースの電子カルテの開発者なのだが(経緯は『OpenDolphin について』で)、医療関係者からそこそこ評価されているのはカルテ記載内容をプレーンテキスト(UTF-8)に書き出すファイルバックアップシステムを実装した点だ。
もともとはクライアント-サーバ間で通信障害が発生したときの臨時記録手段としてこの機能を付け加えたのだが、カルテ記載データの2次利用にも使えるのでは?という声も上がっている。
これに関しては検討中。

 

猪股弘明(精神科医)

 

その後、自然言語処理などにも実際に手を出す。
→『OpenOcean』や『 juman++ で分かち書き』など。

雰囲気つかめますかね?

 

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【悲報】シンガポールの医療システム、ハッキングされる【クラウド大丈夫?】

BBC が伝えるところによると、シンガポールの医療システムがクラッキングされたようだ。

Singapore personal data hack hits 1.5m, health authority says

たぶん、サーバマシンにマルウエア仕込んだのがクラッカー側の勝因かと(この記事だけだと確かなことは言えませんが、システム側が VPN や SSL 使う限り正面突破は難しいので、裏口から侵入!みたいなイメージでクラッキングしたんだと思います)。
一応、私も電子カルテの作者なんですが、「これされたら…ポスグレ(というデータベースソフト)のデータ素抜かれるなあ…外部への送信は、この経路使われて…」とか思い当たるところがありすぎてガクブルです。

安直なクラウド化は絶対ダメだと思いました。

 

電子カルテ

OpenDolphin-2.7m: https://github.com/Hiroaki-Inomata/OpenDolphin-2.7m
ただし、今はメンテもほどほど。プロジェクトはOpenOcean に引き継がれています。
OpenOcean: https://github.com/air-h-128k-il/OpenOcean

 

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VMware で ORCA

ノートPC (Win8) に VMware Player をインストール。ゲストOS に Ubuntu 12.04 を入れ、ORCA 4.7 を導入してみた。(なお、ORCA というのは日本医師会が開発しているレセコンソフトで、OpenDolphin は ORCA と連動して動作する)

vm_orca_ultrabook.jpg

これなら、出先でも ORCA をちょっと触わることぐらいはできる。

本当は、Open Dolphin とも通信させて開発環境も構築したかったのだが、これは上手くいかず。(VMnet1 や VMnet8 などいじったんだが、駄目でした・・・)

以前に造った自作電子カルテもどきで通信させたところ、あっさり成功。

vm_orca_openocean.JPG

受付情報など取得できました。

単純な http プロトコルだと上手くいく?

(追加)ブリッジ接続は問題なく接続。

vm_orca_od.JPG