電子版医師国家試験問題集 PastMaster

私は諸々の理由で国試対策に積極的にソフトを活用していた。
私が国試を受ける前年、学卒の千葉の医学生さんがメディックメディアのCD問題集から全ての問題文と回答をテキスト形式で抜き出すというナイスなハッキングを敢行、さらにそのデータを使って電子版の問題集をつくってくれていたのだった。これを活用した。
使ってばかりでなく恩返しもしようと思い、ちょっとした自作ソフトも公開していた。
PastMaster という。

使い方としては、間違えた問題のみ中古のクエスチョンバンク(=医師国家試験問題集)から解説をリライトしてコメント欄にまず書き込む。これで、1周まわった時点でオリジナルな電子教材が格安で出来上がる。
2周目からは、電子媒体の良さが出る。回答をクリック、ボタン一発で正誤と自分が書き込んだ解説が確認できるので、いちいち回答を紙に書き出すより早い。爆速で問題がさばけるし、知識の定着も効率的だ。
コメント欄を read/write 可能にしておくのがキモで、あやふやな回答の仕方しかできない問題には、例えば
「言語の遅れがある→自閉症
 言語の遅れがない→アスペルガー」(当時の診断名)
というような自分なりの回答判別基準を追加で書き込んでおく。自分がわかればいいだけなので、網羅的な解説でなくていい。
 
私は、ポリクリ終了直後から出入りしていた某ソフトハウス経由で創薬・計算化学分野のさる超高額ソフト(確か600万くらいした)のデバッグを引き受け作業におわれていたため(確か仕事から解放されたのは10月中旬くらいだったと思う)、とにかく卒試や国試の対策にかけられる時間がなかったのだ。
苦肉の策だった。
なお、このソフトハウス、コードが書けるとわかると、誰でも登用されるという私みたいな人間にとっては大変都合の良い職場だった。左手首のリスカ痕も隠すでもなくキーボードを超高速で打鍵するメンヘラーさんらしき人も大活躍していた(今から考えるとボダさんだよね)。
 
まったく同じ立場にいるような学生がいるとは思えないが、私が医学畑にきて感じたことに
 ・OsiriX MD の価格が不当に高い
 ・国試に関する問題集・参考書・模試にかかるトータル
  の費用が高すぎる
ということがあり、前者はそこそこ支持されたようなので、後者もきちんと取り組めばそれなりに結果も出るような気がするのだ。

ところで、そのときデバッグしたソフトを、この前、たまたま、ネット上で発見した。

私がデバッグしていたときは AIPHOS/KOSP と呼ばれていた。バグは特定できたので、その後、それに基づいてバグフィックスが行われ、名前を変えて再販売となったようだ。現在は廃盤になっているようだから、予想よりは普及しなかったんじゃないかと推測する。

 

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