懐かしい写真が出てきたので、公開。
めっちゃマニアックですが。
サイマトロン(ECTで用いる医療機器)で各種パラメータを調節するとき、こんな感じになる。
P-WIDTH = Pulse Width 。これを右に回すか左に回すかである意味、患者さんの運命別れます。
理論わかってない人は触らない方が無難かも。
こういうのも嬉しいですね。
猪股弘明(精神科医)

Just another PHAZOR Blog
ごくごく稀にだが問い合わせがあるので書いておくと、会社の方で正式な形でインターンなどの制度は取っていません。
これまでにも、プログラムの実装、ちょっとした機械・電子工作、電子書籍の編集補助などで、人手が欲しいというときは何度かあったのだが、近場の大学に学生アルバイトを募集すると(有り難いことに)それなりに人が集まってくれたので、それでなんとかなってました。
最近だと、(医療系の AI の影響でしょうか?)理系院生レベルあたりの方からちらほらとより積極的な形で関わりたいというような問い合わせがきています。すぐに適当な仕事があるかというと必ずしもそんなことはないんですが、こちらの方は分野があってれば仕事を振りたいと思っていますので、お気軽にお問い合わせください。
コンタクトページからどうぞ(もちろん日本語で大丈夫です)。
以前からたびたび触れているように MRI では、スピンが測定原理の中心にデンと居座っているため、医療者であっても何らかの理解は必要だ。
私も「高校で習う物理からの類推+歴史的な導入背景の把握」でこの概念を理解した方がいいのでは?みたいなことを提案した。(こことかこことか)
だが、これには限界があることも知っている。ニュートリノという素粒子では、奇妙なことに電荷がなくてもスピンがあることが知られているからだ。
実用的には、どのようなプロセスで理解していってもかまわないと思うのだが、最終的には「スピンとは、素粒子の基本的属性の一つであり、古典的には理解し難いが、その振る舞いを予測する理論も存在する。自然はそういう風につくられている」と受けとめるしかないと思う。
物理学では、こういった概念が多い。われわれが人間として日常的に経験している現象の延長では決して正確にイメージできないが、いくつかの実証的な実験結果と理論(数式)から、その振る舞いを予測したり、実在性を確信したりするしかない類の概念だ。
ところで、常日頃から、このような概念を頭の中で飼っていて、それらを用いてあーだこーだと思考を巡らせている集団がいる。俗っぽくは「物理屋」さんと言う。大学では、理学系の物理学科というところに集中して棲息している。
本人たちは大真面目にやっているのだが、傍目からは奇妙なものに映るようだ。目に見えないものを対象にしている場合が多いから、頭の中のイメージを共有するような感じで議論を進めたりする。よく他学部の人からは「目隠し将棋でもしてるんですか?」とからかわれたりもする。
だが、このような抽象的・論理的な思考様態は、それなりに有効なようで、他の領域に移っても結果を出すことがある。クリックによる DNA の二重らせん構造の発見などは、その最たる例だろう。
物理的な計測をやっている人ならけっこう同意してもらえるんではないかと。
あたりがイイ線ついていると思う。
猪股弘明(精神科医、理学士)
今回は医療画像の fusion (一種の画像合成)のお話。
諸々の事情で MR(Magnetic Resonance 磁気共鳴)系の fusion を取り扱っていた。
なお、MRI って何?って方は、『MRI とは? -その1-』・『MRI とは? -その2-』・『MRI とは? -その3-』あたりをご覧ください。特に『その2』のスピンの説明はけっこう好評のようです。
しかし、MRI のプロトン密度強調画像程度でことが済んでいればいいんですが、この分野の技術進歩は速い。「拡散」強調(という撮像法。水分子の「拡散」というより「移動」といった方が正確なような気もしますが、ここでは慣例に従います)などは、以前より脳梗塞急性期の診断などに使われている。

上の画像は、脳梗塞の拡散強調像(DWI… Diffusion Weighted Image)です。拡散「強調」とは言うものの、実際に撮像するときは、移動しているプロトンからの信号を抑えるような工夫をするので、水分子が動きにくくなっている部位は、高信号になります。梗塞部位に含まれる水分子は、正常組織に比べ「動きにくく」なっているため、結果として梗塞部位は高輝度(白い)領域となって描出されます。
拡散強調画像は、基本 T2 強調画像をベースにしているので、本当に知りたい水分子の挙動(大抵の病変部で水分子は「見かけ」上、拡散しにくくなる。梗塞しかり、癌しかり)を取り出したい。このとき元の拡散強調画像より T2 などの影響を排除するため ADC(Appearant Diffusion Coefficient 「見かけ」の拡散定数) Map というのをつくる。
症例によっては DWI では異常を認めず、ADC Map で低信号(ときには高信号)となって描出されることがあるからだ。
水分子の拡散の度合いを知る上ではこの ADC Map は大変便利なのだが、その反面、組織のコントラストが普段見慣れているそれと違って形態などが読み取りにくい。ストレートに言えば「どこを見ているかわかりにくい」のだ。
この欠点を補うため、解剖学的な形態が読み取りやすい T1 強調画像に ADC Map を適宜「着色」した画像を重ね合わせると、医療者にとって「どこで何がおこっているか」直感的に理解しやすい画像が得られる。
一般に特定の情報を持った画像とそれとは別の情報を反映した画像を「位置を合わせて」合成して表示させることを fusion と言います。PET と CT の fusion はよく知られた例です。(参考:『PET/CT フージョン画像』)

今回は、T1 強調に ADC Color Map ともいうべき画像を fusion させたわけです。もちろん、HorliX 使いまくり。規格(DICOM)があることゆえ私一人では決められない問題もあったりするのですが、目処がたったらプラグインの形でまとめたいと思っています。
猪股弘明(精神科医、理学士)
現在、臨床業務としては、横浜市の某区のメンタルクリニックで外来を担当しているのだが、ここは外来の他、カウンセリング・デイケア・精神科訪問診療もやっている。
そのクリニックのマネージャーの方と雑談していたら、やはり最近、多いのは「ひきこもり」の訪問依頼だそうだ。それも区の福祉担当者からの紹介が多いという。
「ひきこもり」というと、「対応が後手にまわっている」とか「新しい制度・モデルが必要だ」とか不安を煽って大騒ぎしている人もいるようなのだが、この考えには常日頃から違和感を持っていた。
「ひきこもり」となっている原因のある程度は、ベースに精神疾患がある場合が多い(もちろん、「ひきこもり=精神障害」が成り立つわけではないが)。発達障害・うつ病・躁うつ病・統合失調症…etc バラエティに富んでいるが、どれも精神科の守備範囲だろう。やることも外来・入院の時と大きくは違わない。面接をし、見立てをし、当面の治療方針を立て、適切に社会資源を使う、時には家族調整を行う。
既存のシステムを活用することでもある程度の対応が可能なように思うが、どうだろうか?
若干問題があるとすれば、このルートの使い方の上手い下手が各自治体においてかなりの差があること。
当たり前のことを当たり前にやることは、意外に難しいが、珍妙な制度を新設するよりは、よほど現実的で効果的だと思う。
猪股弘明(精神科医)