医学部再受験組・学士入学組あるある?

以前に「データベースによっては私は別人登録されているみたいですが、上記の STM 関係の著者と ECT 関係の著者と HorliX の開発者は同一人物ですので、そこらへんよろしくお願いします」と書いたことがあるのだが、J-GLOBAL ではようやく名寄せ ID が統一されたようだ。

お手配ありがとうございました>関係者のみなさま

お知らせです。

ECT

『advanced ECT techniques』をダウンロードできるようにしておきましたので、ご興味ある方はこちらからどうぞ。

で、青字部分をクリックするとダウンロード開始となります。

 

ロナセンテープ(ブロナンセリン)

医科向け医薬品ですが、貼付剤が一つのトレンドになっているようです。

向精神薬だと、ロナセンの貼付剤が 9 月頃から使えるようになるようです。他サイトですが

ロナセンテープ上市 -時代は貼付剤-

という記事にあれこれ書いてますんで、よかったらご一読のほどを。

 

facebook 薬剤師さん向け勉強会のご案内

薬絡みでいうと、私、facebook の『薬剤師に必要な基本的臨床医学知識を研究・実行する会』というところで管理人をやっています。もともとは大八木(秀和)先生が「これから臨床現場に出る機会が増える薬剤師さん向けに臨床で役に立つであろう知識・体験などをディスカッションする」目的で始められたネット上での勉強会ですが、大八木先生の体調が思わしくなく、暫定的ですが、私が管理してます。参加は、原則、薬剤師・医師に限られますが、興味のある方はどうぞご参加ください。

 

amazon kindle

著者ページ(https://www.amazon.co.jp/Hiroaki-Inomata/e/B088NP9FKP)、更新しました。

メーリングリスト(ML)

これまでにも HorliX の有償ユーザーさん向けのMLはあったのだが、どうしても話題は HorliX に片寄る。
もうちょっと一般的な医療とテック系の絡みに関してディスカッションする場が欲しいと思い、勢い作成。
とりあえずタイトルは
メディカルエンジニアリング研究会
とした。

一応承認制を取ってますが、よほど素性の不明な人以外、承認する予定です。
ぜひ、ご参加・ご利用ください。

 

猪股弘明(精神科医)

日本精神神経学会2019@新潟

数年ぶりに日本精神神経学会で朱鷺メッセへ。
開催直前に地震があったのだが、現地入りしてみると、特に余震もなく、通常運行という感じ。

某シンポにも顔を出したが、この分野で業績を持っている私と川島先生がいないと正直盛り上がりにかけると思う。なお、川島先生には最終日にようやくお会いできた。

精神科医として駆け出しだった頃にお世話になった先生方にもお会いできて、近況などの情報交換や諸々の軽い打ち合わせ。まあ、こういう学会なんでしょう。

ECT関係に関してはポスター発表や一般演題にも可能な範囲で聴きにいく。コメントもいくつかさせてもらったが、概ね好評だったようだ。

私や川島先生が確立していった方法論は、意外に広まっていたなという印象も持った。


ECT の一種の変法に関して、もうちょっと詳しく、という声もあるので、学会でコメントしたことも踏まえて、追加。

まず、ECT 施行時に電極配置やパラメータ(パルス幅や周波数など)に注目したのは米国の Sackeim という人で、この人の仕事が有名で日本でもたびたび言及されている。結論としては、右片側性でパルス幅を短くした方が、副作用の低減・効果の点で有利だ、というのがこの人の主張。なのだが、これ、うつ病あたりのメンテナンスECTを強く意識したスタディで、薬剤のウオッシュアウトに確か2週間かけたりしている。
一般的に精神科で使われる薬剤は、痙攣閾値を上昇させる方向で働くので、これが血中から抜けてしまえば、最適パルス幅は(生理学的にも確かめられている) 0.3ms 前後の方が有効だ、という主張はそれ自体は間違っていないと思う。

ただ、ECT の積極的な適応は、統合失調症急性期で薬剤が効果がない場合などで、緊急的に行われることが多く、当然、2週間近くウオッシュアウトしている余裕などない。だから、Sackeim さんの業績をひいてパルス幅を短くしました、というのはエビデンスの使い方として何か間違っているような気がする。

また、その点を意識しすぎて、すべて長いパルス幅にするというのも、これまた違うように思う。某大学のグループが、(けっこうプロトコルを工夫してるものの) 0.5ms と 1.5ms の比較をやろうとしていたが、えーと、私も川島先生も「1.5ms の方がすべからくいい」みたいなことはこれまで一回も言ったことはない。通常の 0.5ms でけいれんが誘発されない場合は、長いパルス幅も考慮しましょう、ということを一貫して主張していると思う。

細かいことはともかく、ECTに関して意識的に取り組んでいる施設は、ほぼ、この点を意識して工夫している現状は今回の参加でわかった。これはちょっと嬉しい。

ECTはもう「ボタンを押すだけ」の治療ではなくなったのだ。

 

猪股弘明(日本精神神経学会会員)

 

覚醒剤精神病と精神科救急

ちょっと前のことだが、TVの人気番組『相棒』で覚醒剤依存症と思われる(かなりインパクトのある)キャラが出て話題になった。

話はこれで終わらず、依存症では高名な、さる精神科医の先生が「こんな依存症患者はみたことがない。依存症に対するスティグマを広げる。けしからん!」というような主張をして、これまた物議を醸した。

でも、この主張、私なんかからするとちょっと違和感を覚える。
覚醒剤を使用するとそれなりの頻度で覚醒剤精神病という統合失調症に似た病態に移行することが知られているからだ(この他にも、覚醒剤使用で誘発された統合失調症というのもあるが、話が専門的になりすぎるので割愛)。

日本精神科救急学会のHPでも、この転機の典型例が記載されている。

精神科救急の現場から 第11話 覚醒剤に手を出して

例のシャブなんとかさんは、おそらく脚本家さんがこういった素材をかなり調べてキャラ設定されたのではないかと推測する。演出もかなりリアルだったし、少なくとも興味本位で描こうとしたようには感じなかった。

周囲を見た限り、ある程度精神科救急の経験のある先生は、このシーンで即座に覚醒剤精神病のことを思い浮かべていたようだ。では、なぜ、同じ精神科医でこのような認識の差が出るのかといえば、こういったタイプの患者さんが地域的に偏在されているためだと思う。

少々、資料が古いが、警察官通報から措置入院(強制入院の一形態)に至った都道府県別の件数をグラフにしたものを下に掲げておく。

関東首都圏、特に東京都が飛び抜けて多いことがわかるかと思う。

この年は、1500件/年ほどあり、平均すると一日に 4,5 件はこの経路で入院となっている。疾患別の内訳までは記載されていないが、ベースに薬物依存症がある場合は少なくない。年間に数十件程度の地域では、この手のケースを経験してみようもないというのが本当のところではないだろうか。

でも、北陸、沖縄あたりは平和で良いですね。

 

猪股弘明(精神保健指定医

 

負の連鎖

連鎖は続いていく。

農水省元事務次官「川崎の事件見て息子も危害加えるかも」

報道もポイントをおさえ始め、

「事件直前には長男が近くの小学校で行われていた運動会の音がうるさいと腹を立てたのを父親が注意し」→聴覚過敏の存在を示唆
「練馬区役所によりますと、これまでに長男についての相談はなかったということです」→親族の自発的な福祉への協力要請は否定

とまともな情報を提供し始めた。
家族内力動の異常による家族機能の喪失などというものは、その家族内だけでなかなか解決できるものではなく、適切な外部からの支援が必要だと思う。
それもハコモノやシステムをつくっただけではダメで、まともに機能させるには、ある程度の練度が必要なのだろう。
仕事柄、東京都世田谷区や横浜市中区などの実情はまあまあ知っているが、他の地域は意外に機能していないのかもしれない。


なお、ちきりんさんによれば、被害者の方は、統合失調症の妄想型だったそうです。ちきりんさんのツィートに本人のアカウントでリプライがあった模様。

 

猪股弘明(精神保健指定医)