MST(Magnetic Seizure Therapy) について

立場上、流石にノーマークというわけにもいかないので、MST (Magnetic Seizure Therapy: 磁気けいれん療法)に関してちょっと調べ始める。
https://www.magventure.com/tms-research/magnetic-seizure-therapy

2T(MRI なみ)の磁場かけているというのは知らんかった。
脳内の電流強度(分布)や電位勾配(分布)がいかほどになるかは、手が空いたら調べてみたい。
なお、アイキャッチ写真で被験者は覚醒してますが、けいれん誘発させるんで、当然、麻酔かけます。

ところで「磁気を使って脳細胞を刺激する」となると TMS が連想されるが、TMS と MST とでは狙っている作用機序が違います。
TMS は(けいれん誘発まではさせないが)磁場の変動によって生じる比較的「弱い」電流でニューロンを「刺激」してニューロンを賦活する(ただし、重度のうつにはあまり効果はない)、MST は(その反省もあってか)積極的にけいれんを誘発させて効果発現を期待する、というのが狙いです。

ここら辺の発展は、歴史的に見るとわかりやすいかと。
まず治療法としてはECTが確立
→人権派団体などの反対もあって「けいれんをおこさずに『弱く』神経細胞を刺激する」TMSの誕生・普及
→が、中〜重度のうつにはTMSの効果がイマイチ。「やはり、けいれんは必要」という揺り戻し
→MST の開発
という流れです。

猪股弘明
日本精神神経学会ECT・rTMS等検討委委員会委員(なぜか2期目に突入)

 

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