エルゼビア、涙目…なるか?

ネット上でもちらほら話題になりつつあるが、学術出版大手のエルゼビアのビジネスモデルに対して一部の学者が抗議の声を上げ始めた。口火を切ったのはフィールズ賞受賞者のガワーズ氏で、ブログに抗議の意図を掲載した。その後もこの流れは徐々に普及し始めているようで、出版・査読のボイコットを表明するサイトも立ち上がった。

私はプロの学者ではないのでどちらかといえば対岸の火事のように見ているが、これはけっこう意味のある運動ではないかと思っている。研究らしきことを始めればすぐにわかるが、商業学術出版を使うと文献の調達にけっこう費用がかかる。レビュアーが引用しろといっているから、ネットなどで落とすと一本 3000円くらいする。で、こういったものが書いている論文に必須かといえば、そうでもなかったりする。むしろ、クオリティが低くてがっかりすることの方が多い。(なので私は古典的な著作権を委譲するタイプのジャーナルに投稿するのを止めてしまった)
PLoS などのオープンアクセスが出始めた時点でこの手の雑誌は衰退する運命にあったのではないだろうか。

私はといえば、arXiv (究極のオープンアクセスでしょ、これ)やパブーなどの取り組みに注目している。というかこれくらいの発表媒体があれば、私などは十分こと足りる。


パブーは一時期(2019 春頃)閉鎖説も出ていたようですが、別会社が事業を引き継いだようです。よかったですね。

 

 

猪股弘明(東京都立松沢病院)

 

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