「ひきこもり」と精神科訪問診療

現在、臨床業務としては、横浜市の某区のメンタルクリニックで外来を担当しているのだが、ここは外来の他、カウンセリング・デイケア・精神科訪問診療もやっている。

そのクリニックのマネージャーの方と雑談していたら、やはり最近、多いのは「ひきこもり」の訪問依頼だそうだ。それも区の福祉担当者からの紹介が多いという。
「ひきこもり」というと、「対応が後手にまわっている」とか「新しい制度・モデルが必要だ」とか不安を煽って大騒ぎしている人もいるようなのだが、この考えには常日頃から違和感を持っていた。

「ひきこもり」となっている原因のある程度は、ベースに精神疾患がある場合が多い(もちろん、「ひきこもり=精神障害」が成り立つわけではないが)。発達障害・うつ病・躁うつ病・統合失調症…etc バラエティに富んでいるが、どれも精神科の守備範囲だろう。やることも外来・入院の時と大きくは違わない。面接をし、見立てをし、当面の治療方針を立て、適切に社会資源を使う、時には家族調整を行う。
既存のシステムを活用することでもある程度の対応が可能なように思うが、どうだろうか?

若干問題があるとすれば、このルートの使い方の上手い下手が各自治体においてかなりの差があること。

当たり前のことを当たり前にやることは、意外に難しいが、珍妙な制度を新設するよりは、よほど現実的で効果的だと思う。

 

猪股弘明(精神科医)

Mac Pro で本当に大根をおろした Youtuber がいるらしい

昨年アップルから発表された Mac Pro はその外観からたびたび「おろし金」と言われていたのだが、これをネタにした動画が Youtube に上がっている。

本当に大根おろしちゃったよ。
瀬戸さん、完全に笑わしにきてますね(笑)。

 

超高額ディスプレイも話題になってますが、こちらの動画でレビューされてます。

ディスプレイ XDR が登場するのがちょっと遅いかな・・・。

 

 

 

 

猪股弘明(精神科医)

iPSからの・・・文春砲

あんまり時事ネタは取り扱うつもりはないのだが、なんだろ、これ?

安倍首相補佐官と厚労省女性幹部が公費で「京都不倫出張」

 これが文春砲というやつですか・・・。
でも、まあ、不倫どうこうと科学政策レベルでの iPSの予算配分の話は、基本的には別の事柄だと思う。が、しかし、世間はそうは思わないんでしょうね。

 

猪股弘明(精神科医)

『iPSからの・・・』再考

実質、『iPSからの・・・神経系細胞誘導』の続き。
その最後の方で「事業として成立する前に研究開発費が枯渇する「死の谷」が迫っている」という趣旨の報道記事を紹介したのだが、その後、これは現実的な問題になって、

iPS研究予算「いきなりゼロは理不尽」 京大・山中氏支援継続を政府に求める

という事態になっているようです。

ただ、この手の記事は、ある程度ミスリードを誘うようなところがあって、SNS などでは「予算ゼロで研究が止まったりしたら大変だ、早速研究所に寄付した!」みたいな反応がでていた。

いや、そういうことではないような・・・ (- -;)

まず、これは山中先生関連の(主に備蓄事業を対象とした)「大型予算」がゼロになるだけであって、iPS 関連の予算がゼロになるわけではない。国からの科学関係の予算分配としては、科研費が有名だが、例年11月くらいに申請が行われ、審査に通れば、翌年6月くらいから交付される。科研費にはグレードがあって、基盤Sであれば、5年で2億の予算がつく。1人で申請も可能だから、これ単独でも当たれば1年で4千万使える。このクラスに申請する人は、大学の教授職についている人が多いし、所属組織にはある程度実験装備も整っている場合が多いから、そのような環境なら研究費だけで4千万というのは、かなり使い勝手がある。
また、科研費申請できるような研究機関であれば、複数人の研究者を抱えているのがほとんどだから、複数あたれば、組織としての「基礎」研究としては、かなり余裕がでると思う。
さらに、臨床的な実用化が視野に入っていれば、AMED という機関からの予算配分も期待できる。1案件あたりの予算としては、AMED は大型のものが多い。
実績のある方々が数多く在籍しているわけだから、これらの予算が取れないということは現実的には考えにくい。

だから、「ゼロになる」という強調の仕方は、ちょっとどうなんだろと思う。
研究活動は縮小するかもしれないが、会社が不意に倒産するように事業がピタッと止まるというようなことはありえないはずだ。

また、研究フェイズの上でも、いったん、枠組みを再考した方がいいように個人的には思う。iPS に関しては、幹細胞への初期化や各種組織への分化誘導、生体への導入あたりまでの技術確立は文句なしに素晴らしいと思う。が、そのレベルから実際に人体に生着させ、機能を獲得するというのは研究テーマとしては別の話になってくるのではないだろうか?(ここらへんは前の記事を読んでください)
状況が膠着したら、一つの考え方に縛られるより、打開のために異なるアイディアを持ってそうな複数の人に予算を分配して機会を与えるというのは、あっていい考え方だと思う。


実際、枠組みを新しくする構想は前からあったようですね。

iPS細胞、産業化見据え 再生医療研究の新指針れ

この時期にこのような主張をするのはなんでだろ?

 

と疑問に思ってたら、その背景をさらりと書いている記事があった。

日本の iPS 研究は、なぜガラパゴス化したのか?

現在の延長線上には、臨床応用は難しいという認識は私だけではなかったようで、ちょっと安心。あと、国際的視点が興味深かった。

 

 

猪股弘明

PHAZOR合同会社
精神科医

 

gifted -ギフティッド-

gifted は近年、持ち上げられる風潮にある。最近だと、NHKでも取り上げられていた。

知られざる天才 ”ギフテッド”の素顔

だが、ここで紹介されている人のなかにはいわゆる自閉症スペクトラム症の方がけっこういるような…。

児童思春期の病棟などでは IQ=130 くらいはけっこういる。(たいてい動作性IQが130を超えていても、言語性がね、ううむ)
では、そういった人が大成するかといえば必ずしもそんなことはなく、けっこうネックになるのは好奇心の対象が限定されてしまうこと。
例えば、ゲームに興味があるという患者さんはけっこういるが、「ゲームをつくるのは興味があるかな?」と誘導しようとしてもけっこう抵抗を示す。
社会的な評価を得るためには、自分の好奇心の対象がその分野のなかでどのような意味を持つか、より一般的な性質を持っているか、といった新規性や進歩性、有用性に関する検証は自分でおこなわければならない。そういったことを自覚して自分の能力をコントロールしながら知的な活動をおこなっていくのは、別の努力が必要なのだと思う。

 

猪股弘明(精神科医)