インターフェロンの林原って

会社更生法を申請してたんですね。あんまり話題にもならなかったような…。
中野不二男氏の力作『インターフェロン 第5の奇跡 -長野・岸田両博士と林原生物化学研究所-』も現在では絶版になっているようだ。
倒産の経緯に関しては、ここがそこそこ詳しかった。

 

医療画像処理

某企業より依頼があったので、CTやMRIなどの医療画像から特定の臓器だけ抽出するソフトを試しにつくってみた。

ささっとつくったにしてはなかなか。
ポイントは「閾値処理だけでは狙った臓器だけを絶対に抜けない」ということに気がつくかどうか。

ただ、任意の臓器で精度よく抜いていくのはかなり面倒だと思う。

(追記)この手の技術は CAD (Computer-Aided Diagnosis) というらしい。日本医用画像工学会の CAD コンテストというのがこれに近いことをやっていた。良くも悪くもこの分野の現状がわかる。

(追記)この機能、 HorliX や Horos や OsiriX のプラグインを使って実現できないだろうか?

猪股弘明
HorliX: developer
Horos: contributor
OsiriX(OpenSource Ver): contributor

 

研究予算

おかげさまで某自治体より研究予算をいただいた。
より安全なECTの施行方法を確立することで住民の皆様には成果を還元したいと思うが、個人的に嬉しいのはもうやる気のない企業と金策のために無理に組まなくてもいいことだ。

やる気のない企業とは何か?

臨床にアクセスできるわけでも具体的なアイディアを持っているわけでもないのに、なぜか変な自信だけはあって具体的な反応に乏しい企業のことだ。

 

猪股弘明

臨床心理士とカーンバーグの人格構造論

知り合いのメンタルクリニックで「臨床心理士業務+α」をしてくれる人を募集しているのだが、全然人が集まらないんだそうだ。けっこう人気がでそうな職種なのに、不思議だ。「+α」の部分は、受付だったり、事務的な仕事だったりするので、これがネックとなっているんだろうか?

ところでメンタルクリニックの外来をやっていると予診を心理士さんがやってくれることが多いが、プレゼンの仕方に何か違和感を覚えることが多い。

カーンバーグの人格構造論

私は、初診ではおおざっぱに見立てをして、必要があれば投薬。以降、面接を重ねながら診断を確定させていったり、薬の反応から処方内容を修正したり、という感じで進めている。

この最初の「おおざっぱな見立て」をするにあたって根拠としているのは、カーンバーグの人格構造論というやつで私はたいへん重宝している。が、心理士さんたちは(知識としては習っているのだろうが)あまりこの考え方に重きをおいていないようだ。

というわけでカーンバーグの人格構造論のポイントを解説。

神経症性パーソナリティ構造…抑圧を中心とする防衛…ヒステリー傾向・強迫性・自己愛性

境界性パーソナリティ構造…スプリッティングを中心とする原始的防衛…境界性・統合失調質

精神病性パーソナリティ構造…原始的防衛…統合失調型

と実におおざっぱに分類している。カーンバーグは人格障害に対してこの分類を適用しているが、実際には統合失調症圏、神経症圏に拡張して考えてもそう大きな間違いではないように思う。というのは防衛機制の使われ方がこれらの疾患患者では対応する人格障害の場合とほぼ同様に働くから。

原始的防衛というのがちょっとわかりにくいが、「妄想・魔術的思考などと読み換えるとしっくりくると思う。

なんでこの見立てが重要なのか?

簡潔に言えば、治療アプローチが変わってくるから。

「気分が落ちこんで・・・」などと患者さんが訴えれば、「うつ」を連想するが、これは単なる症状や症候のレベルの話。

内因性のうつや適応障害でこの訴えは多いのは当然だが、神経症傾向のある患者さんや人格障害傾向のある患者さんでもこのような訴えをする人は多い。

神経症では過剰な「抑圧」、人格障害では「ストレス耐性の低さ」などが解決しなければならない問題なので、これらの場合は投薬療法ではなく心理療法がメインとなるアプローチになる。

一般的に…

もうちょっと一般的に言えば、見立ての際には、まず

統合失調症圏・人格障害圏・神経症圏・感情障害圏(うつ病・適応障害など)

のカテゴリーを意識していると方針を見誤ることは減ると思う。

依存症との関係

では、依存症・物質使用障害はどこに位置付けられるのか?という疑問は生じると思うが、感覚的には「依存症は別」と考えている精神医療関係者は多いと思う。重度の依存症の場合、治療的には依存症専門の医療機関にお任せする方がいいと思う。
ただし、街中のメンタルクリニック外来レベルだと人格障害傾向がベースにあり、ストレス解消の一つの手段として薬物に依存するケースは多い。依存が成立しているというより一時的な薬物乱用(オーバードーズなど)であったりする。

この場合は、無闇に依存症専門の医療機関を受診させるよりは、ベースとなる人格障害の治療を優先した方がいいケースも多いと個人的には思っている。

メンタルクリニックの外来では興味深くもあり頭を悩ませるところでもあります。投薬すればそれでよし、定型的な治療で事足りるという世界ではなくなってきますから。

高機能型境界性人格障害 依存症・物質使用障害の基本

などもご参照のほどを。

 

猪股弘明(精神保健指定医)
Twitter: @H_Inomata (猪股弘明)

 

(追記)

↓ にまとめました。

<アマゾン版>

(追記2)ここ↓でもちょっぴり

メンヘラーのためのメンタルヘルス本(2)

取り上げてもらいました。ありがとうございます。

自治体病院の限界とメンタルクリニック外来

たまに問い合わせがあるので書いておくと、この4〜6月で職環境は大幅に変化した。
まず常勤で勤めていた某自治体病院だが、いろいろと限界を感じることがあり非常勤にしてもらった。これとはまったく無関係に出身大学の某講座の客員研究員の話があったのでこれは引き受けさせてもらった。
非常勤になると外勤が自由になる。というわけでいくつかのメンタルクリニックで外来をこなしている。外来ではECTのEの字も出さずに、無難に?精神科医してます。

猪股弘明(横浜市立大客員研究員)