木を見て森を見ず、な医療画像AI自動診断

東海大・高原先生(放射線科医)のお仕事が Yahoo ニュースに載っていたので、ちょっと紹介。

MRIで乳がん早期発見 着衣のまま痛みもなし

マンモグラフィーの画像から、乳ガンの早期診断をする、というのは一昔前の医療 AI の課題としてよくあったのだが、けっこうな数の医者が「マンモグラフィー自体、かなり苦痛を伴うものなので、欲しいのは代換案なのだが、なんでマンモだけにこだわって研究してんの?」と生暖かい視線を送っていたと思う。

高原先生の DWIBS 以外にも各種方法論が提案されている。

「AI による自動診断」というのは一つの流行で、その手の研究が増加するのはわからないでもないんだが、他に決め手がありそうなときは、そちらを優先する、というのが医療人の基本的な考え方だと思う。

私も皮膚の画像から、悪性黒色腫などをひろいあげるシステムつくろうかと思ったことがあるのだが(『それは一枚の画像から始まった』あたりをご参照のほどを)、あくまで、「早期診断」レベルで、この分野の練習くらいで取り組んでいた。少なくとも、治療に繋がるような医療の本筋ではないなと思っている。

そもそも皮膚の写真を撮るダーマスコピー(dermoscopy)は、撮像条件を一定にすることが難しく、撮れた画像にしても(原則的には)皮膚表面の情報しか取得できない。
こういう状況下では、画像情報だけにこだわるのは、研究としては成立しても、実際の臨床に決定的な影響を与えるものか?と思う。

この手の研究に手を出すときは、木(画像)だけを見て森(病態)を見ずにならないように気をつけたいところだ。

 

猪股弘明(精神科医・東京都医学総合研究所客員研究員)


最近、Newsweek が、『AI vs 癌』の特集をしたのだが、

やはり、というべきか、こういう記載が・・・。

「専門の放射線診断医と同じくらい正確に(乳癌検査の)マンモグラフィーの画像を読み取れたり、皮膚科医と同じように皮膚がんを識別できたりするアルゴリズムが既に登場している」と、M.D.アンダーセン癌センターの病理医オク・チヨンは言う。「技術の進歩には目を見張らされる」

 

あー、マンモ(による乳がん検出)とダーマスコピー(による皮膚がん検出)ですか。臨床医の考えていることは、もうちょっと別のところにあると思いますけどね。

 

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