地方大学医学部の縁故入学について

和田秀樹氏(精神科医)のブログに地方大学医学部の縁故入学に関する記事があってどきりとした。

 

医学部の地域枠推薦が怪しいと思っている。医師不足対策の地域枠も所詮推薦入試のことだ。子どもの通う新潟大学は学校推薦+センター+面接で決まるが、地域枠推薦で入るのは、結局医者の子供達でかつ、特定の地元二流私立高から必ず金持ちの子供が数名入ってくる。子どもの話だと、堂々と親が高校に圧力をかけて推薦を通してもらったとか、医学部の面接官が親の友達とか、ひどいことに、センター7割くらいでもOKだったという話があるようだ。

この記事にでてくる新潟大学って私の地元の大学なんだよね。
国立医大の人気が上昇するにつれ、比較的都心からアクセスしやすいということがあって、都内中高一貫進学校生徒の「草刈り場」になっているという状況はあったらしい。で、彼らは、卒業してしまうと都心部に戻ってしまうから、出身大学周辺(新潟・山形・富山など)で働くことはない。

だから、話としてはもっともらしく聞こえるけど、本当にそんなことってあんのかなあ???

 

 

猪股弘明(精神科・医師)

 

インターフェロンの林原って

会社更生法を申請してたんですね。あんまり話題にもならなかったような…。
中野不二男氏の力作『インターフェロン 第5の奇跡 -長野・岸田両博士と林原生物化学研究所-』も現在では絶版になっているようだ。
倒産の経緯に関しては、ここがそこそこ詳しかった。

 

研究予算

おかげさまで某自治体より研究予算をいただいた。
より安全なECTの施行方法を確立することで住民の皆様には成果を還元したいと思うが、個人的に嬉しいのはもうやる気のない企業と金策のために無理に組まなくてもいいことだ。

やる気のない企業とは何か?

臨床にアクセスできるわけでも具体的なアイディアを持っているわけでもないのに、なぜか変な自信だけはあって具体的な反応に乏しい企業のことだ。

 

猪股弘明

自治体病院の限界とメンタルクリニック外来

たまに問い合わせがあるので書いておくと、この4〜6月で職環境は大幅に変化した。
まず常勤で勤めていた某自治体病院だが、いろいろと限界を感じることがあり非常勤にしてもらった。これとはまったく無関係に出身大学の某講座の客員研究員の話があったのでこれは引き受けさせてもらった。
非常勤になると外勤が自由になる。というわけでいくつかのメンタルクリニックで外来をこなしている。外来ではECTのEの字も出さずに、無難に?精神科医してます。

猪股弘明(横浜市立大客員研究員)

世界一は立派だと思うが、速さよりアルゴリズムの方が重要な時代なのでは?

日本製スパコンの計算速度が世界一になったとか。
(→その後、転落。「2位じゃダメなんですか」発言があったり、その反動として「世界トップを目指す基礎研究の意義」みたいなことが議論されたが、ここでは実際に計算機を使って何かをしている人の個人的な感想みたいなものを述べてみたい)
私は、たまに計算機を用いた物理学的なシミュレーション(数値解析)をやることがあるのだが、その目処をつける段階では正直「計算機の多少の速度差は、ほとんど意味を持たない」という実感を持っている。
アイキャッチのフィギュアは、ECT 施行時の脳内での電流密度を描画させたものだが、この場合、そもそも計算機に与える信頼すべき基礎方程式自体がなかったし、だから、そのための理論とアルゴリズム一式を考案しなければならなかった。時間も集中力も消費したのは、正直そこだ。
スパコンの主要な応用分野の一つとしてシミュレーションがあると思うが、一般的に言って、この分野で苦労するのはモデル化であったり、モデルから実際の計算に落とし込むアルゴリズムであったりする。

速度や生産量というのは、一般の人にも理解が得られやすい指標なので、この点を中心に評価・議論されやすいが、だが、待ってほしい。
一昔前、日本は「半導体生産量世界一位」というプロバガンダを散々うったし、国民もそれに発揚されていたと思う。われわれはまだまだ naive だったのだ。このときの「半導体」は、CPU も RAM もひっくるめての生産量だ。もちろん、世界のトップ層は CPU (後には GPU も)や OS が次世代の計算機の要だ、という認識があり、裏では着々と研究リソースの再整備が行われていたと推測する。その後の計算機・ソフトウェア業界の覇権がどうなったかは、ここで言うまでもないだろう。一般国民は、騙されていたとも言えるし、間違っていたとも言えるかもしれない。ともかく、世界で戦うには、まだまだ未熟だったということだろう。

ここらへんの予算配分の問題は、もう一歩踏み込んで再考して欲しいなあと思う。

 

猪股弘明(都立松沢病院精神科)