ベンゾジアゼピン系受難の時代に

近年、ベンゾジアゼピン系薬物は一種の迫害を受けているのだがその筆頭はデパス(一般名:エチゾラム)だろう。

こんな記事があった。

発売から30年 睡眠導入剤「デパス」に深刻な副作用が次々と

なのだが、私はデパスはけっこう使っている。市中のクリニック外来で来院頻度が多いのは適応障害で、もともと健常な人でも環境からのストレスで軽く抑うつ症状を呈する患者さんは多い。
だから、治療方針も「ストレス源からの隔離」が第一となり、症状に対して対症療法的にデパスを出したりする。
もともと健康な人が多いから、2週間も休養を取ってもらえば、かなり回復するし、「薬は飲みたくない」という人も多いから、自然にデパス使用量は減ってくる。
ベンゾ系薬物の漫然とした長期投与は論外だと思うが、デパスをそんなに目の仇にしなくてもいいのではと思う。
軽い適応障害あたりでいきなり SSRI (現在、主流になっている抗うつ薬)いれてグダグダな病態になるよりなんぼかマシだと思う。


なお、この Friday の記事自体、けっこうツッコミどころがある。facebook タイムライン上では医師の諸先生と、ここではもうちょっと一般的に(と言っても薬剤師さんメインですが)ディスカッションされました。

 

猪股弘明(精神保健指定医)

 

Mac Pro で本当に大根をおろした Youtuber がいるらしい

昨年アップルから発表された Mac Pro はその外観からたびたび「おろし金」と言われていたのだが、これをネタにした動画が Youtube に上がっている。

本当に大根おろしちゃったよ。
瀬戸さん、完全に笑わしにきてますね(笑)。

 

超高額ディスプレイも話題になってますが、こちらの動画でレビューされてます。

ディスプレイ XDR が登場するのがちょっと遅いかな・・・。

あと、この超高額ディスプレイは色深度が1色あたり 10bit (通常は 8bit)というハイスペックなのだが、わざわざ HorliX をコマンドラインから起動して( ↓ )「HorliX は 30( =10×3 ) bit (ディスプレイ)に対応してますか?」という質問が海外勢から飛んできた。

さーせん、対応してません(^^;)

色深度をチェックするコードをちょっと加えたのみです。

(追記)月日が経つのは早いもので「モンスターマシン」と思われた MacPro を凌駕するマシンが現れた。
って、M1 マシン群のことなんですが。

これには瀬戸さんショックを受けたようで、再び動画投稿されています。

ン百万投資して手に入れた環境がノートパソ級に追い抜かれるというのは、色々クるものがあるだろうなあと (^^;)

 

猪股弘明(精神科医)

アマゾン kindle ライブラリは、(日本では)電子書籍の改訂版が出ても自動で更新されない仕様のようです

タイトル通り。
薬剤師、現場に出る』という kindle 本をアマゾンから出していたのだが、年末の開いた時間を使って、コンテンツを追加した。
アマゾンのプラットフォーム上では、新しい原稿を投入しても何のエラーも出ない。端末アプリで、既にダウンロード済みの旧版を削除して、新しいバージョンを落として、開いてみたのだが、何の更新もされていない。
「あ、更新が反映されるまでに時間がかかるのかな?」と思い、しばらく時間を置いて、削除→ダウンロードを何回か繰り返したのだが、新しいバージョンにならない。
不審に思ってググったら、タイトルのようなことが判明したという次第です。
日本だとアマゾンのカスタマーサポートに電話・チャットなどで「(電子書籍の新版が出たので)ライブラリを更新してくれ」と言わないと、端末側のクライアントアプリは古い版だけしかダウンロードできない仕様のようです。逆に申請すると、ものの数秒で更新が反映されます(=新しい版が落とせる)。

一応、具体的な手順を説明しておくと、まず

アマゾンカスタマーサービスのコンタクトページ

に飛んでもらう。どれが正解なのか今一つわからないのだが、例えば、下のように項目を選択していくと電話かチャットで連絡をとれるような画面に遷移する。

 

ここで(私はチャット使いましたが)「購入済みの電子書籍が改定されたようなのでライブラリを更新して欲しい」という意図を伝えるとアマゾンの中の人が動いてくれてライブラリが更新され、新しい版が落とせるようになります。

版元からアナウンスすることもできるんですが、手続きが煩雑なのでその解説は今回は割愛(ググれば出てくると思います)。

なお、米国ではシステム側で自動更新されるとか。
日本の仕様はちょっと不便かなぁ。

 

【補足】出版した側から、アマゾンを経由して購入者に通知する仕組みもあるんですが、審査が必要であり(マイナーアップデートくらいでは通らない可能性もある)、手続きも煩雑なため、今回は見送ってます。

 

猪股弘明(amazon 著者セントラル

iPSからの・・・文春砲

あんまり時事ネタは取り扱うつもりはないのだが、なんだろ、これ?

安倍首相補佐官と厚労省女性幹部が公費で「京都不倫出張」

 これが文春砲というやつですか・・・。
でも、まあ、不倫どうこうと科学政策レベルでの iPSの予算配分の話は、基本的には別の事柄だと思う。が、しかし、世間はそうは思わないんでしょうね。

 

猪股弘明(精神科医)

木を見て森を見ず、な医療画像AI自動診断

東海大・高原先生(放射線科医)のお仕事が Yahoo ニュースに載っていたので、ちょっと紹介。

MRIで乳がん早期発見 着衣のまま痛みもなし

マンモグラフィーの画像から、乳ガンの早期診断をする、というのは一昔前の医療 AI の課題としてよくあったのだが、けっこうな数の医者が「マンモグラフィー自体、かなり苦痛を伴うものなので、欲しいのは代換案なのだが、なんでマンモだけにこだわって研究してんの?」と生暖かい視線を送っていたと思う。

高原先生の DWIBS 以外にも各種方法論が提案されている。

「AI による自動診断」というのは一つの流行で、その手の研究が増加するのはわからないでもないんだが、他に決め手がありそうなときは、そちらを優先する、というのが医療人の基本的な考え方だと思う。

私も皮膚の画像から、悪性黒色腫などをひろいあげるシステムつくろうかと思ったことがあるのだが(『それは一枚の画像から始まった』あたりをご参照のほどを)、あくまで、「早期診断」レベルで、この分野の練習くらいで取り組んでいた。少なくとも、治療に繋がるような医療の本筋ではないなと思っている。

そもそも皮膚の写真を撮るダーマスコピー(dermoscopy)は、撮像条件を一定にすることが難しく、撮れた画像にしても(原則的には)皮膚表面の情報しか取得できない。
こういう状況下では、画像情報だけにこだわるのは、研究としては成立しても、実際の臨床に決定的な影響を与えるものか?と思う。

この手の研究に手を出すときは、木(画像)だけを見て森(病態)を見ずにならないように気をつけたいところだ。

 

猪股弘明(精神科医・東京都医学総合研究所客員研究員)


最近、Newsweek が、『AI vs 癌』の特集をしたのだが、

やはり、というべきか、こういう記載が・・・。

「専門の放射線診断医と同じくらい正確に(乳癌検査の)マンモグラフィーの画像を読み取れたり、皮膚科医と同じように皮膚がんを識別できたりするアルゴリズムが既に登場している」と、M.D.アンダーセン癌センターの病理医オク・チヨンは言う。「技術の進歩には目を見張らされる」

 

あー、マンモ(による乳がん検出)とダーマスコピー(による皮膚がん検出)ですか。臨床医の考えていることは、もうちょっと別のところにあると思いますけどね。