保護中: 「I 氏(精神科医)について」について
保護中: 医療DX メモ
医療DXと標準型電子カルテ
現在、国(具体的には医療DX本部)が推進している医療DXだが、その核となるプロジェクトに『標準型電子カルテの開発』というものがある。
まずは医療DXについておさらい。
そもそも医療DXとは?
医療DX本部は 2022.10.11 の閣議決定で内閣官房直轄に設置された。(このページ参照)
内容に関する具体的な討論は 2023.06.02 官邸で行われた会議から始まった。
ここで、後であちこちで現れる工程表などがいわゆる「霞ヶ関パワポ」の形で提示された。

この時点で全国医療情報プラットフォームの構成要素の一つとして「標準型電子カルテ」の名前が確認できる。
医療DX本部設置からかなり早い時点でその構想がなされていたわけだが、あくまで構想であって、具体的な内容の検討や開発管理などはこの後に厚労省やデジタル庁が担うことになる。(そういう意味ではかなりトップダウン的な政策である)
標準型電子カルテ
厚労省は医療DX構想を受けて、標準型電子カルテについてはそのコンセプトを固めるために技術作業班とワーキンググループを設置・招集することにした。

これらの会議の資料として標準型電子カルテのイメージとして以下の図が用いられた。
この時点では具体的な検討は始まっていないのであくまでイメージである。

先日、その第一回の技術作業班会議が行われ、私も呼ばれたので、参考意見程度のことは述べてきた。
技術作業班
ワーキンググループ
第一回 2023/12/14
内容に関してはおいおい。
ベンダー向け説明会
「PHAZOR」の「精神科医」
ところで、議事録では発言者は会社名で置換されている。
私の場合は「PHAZOR」になっていて,
実名は出ていないのだが、
・初回発言で「精神科医です」と自己紹介したこと
・発言内容
などから、周囲の人には一発で「PHAZOR」さんが私だとわかったようである。
ネットの医療情報クラスタ微妙にざわつく
公開された議事録の内容が内容だっただけに X(twitter) の医療情報クラスタが少々ざわついたようだ。
個人的に嬉しかったのはこのポスト(ツィート)だろうか。

2023年のWeb系の読み物として、一番面白い(interesting)かも。
決して一般ウケするようなテーマではないが、それなりに準備して臨んだ出席者が多かったせいか実際の会議の白熱した雰囲気は伝わったようだ。
200床以下の精神病院
ところで、標準型電子カルテの普及目標にはそもそも精神病院は入っていない。だから「200床以下の精神病院」は全くもって相手にされていないのだ。
会議に参加した時には、「(データの全数取得を担保する意味で)ちょっとおかしいし、無駄な差別なのでは?」という主旨の疑念を呈した。
が、その後、200 床以下の精神病院で実際に働くと考えが変わった。
(『メンタルホスピタルかまくら山の件』あたり参照)
たぶん、このレベルだと人材層の薄さから電子カルテの導入どころではないし、経営的に四苦八苦で、無料配布しても導入できないところがほとんどだと予想できるから。
さらに怖いことを考えるならば、厚労省本省が「2030 年くらいまでに 200 床以下の精神病院は全て潰す」と予定しているのかもしれない。
将来消滅させる予定の医療機関を普及の数値目標には入れないよね、そりゃ。
(適宜加筆予定)
時として患者さんの発想は治療者を超えるが、スタッフが支援しきれない
電カルによっては、和暦⇄西暦をうまく扱えないものがある。OpenDolphin ではデフォで対応しているので、新元号が公布・施行された時にちょいちょい手を入れれば修正は容易。
現在、主流のブラウザタイプでは表示を javascript でコントロールする関係上できないと思い込んでいたのだが、
ブラウザ上で表示→ブックマークレットで変換
でできるっぽい。
X(twitter) でこの話題が出た時に教えてくれた人がいた。

教えてくれた人は、TLの内容から察するに発達障害の方。
病院職員さんも褒めてくれたそうだが、もっと本格的にクローム拡張で実装したい希望があるようだ。
私もクローム拡張は詳しくないので、偉そうなことは言えないが、受け持ち患者さんなら、一緒に勉強したんではないかと思う。
精神科スタッフが苦手とする領域だから、致し方ないのかもしれないが、支援しきれていない感がある。
よく使われる「支援」という言葉も、実は、私はあまり好きではない。「劣った部分を補う」というニュアンスがあるからだ。
今回の場合は、実態としては、「潜在的な才能を伸展させられなかった」に近く、これまでの「支援」とは違ったものが必要とされているように思う。
猪股弘明
精神科医(精神保健指定医)
