前回の記事のためにひさびさにクラウド化したドルフィン(という電子カルテ)サーバを走らせたので、ついでで同じマシン上にオンライン診察を意識したビデオチャットサーバを立ててみた。
近年の通信技術の進歩は恐ろしい勢いで進んでいるようで、割と簡単に立てられました。
実際に使うとすると以下のような流れになると思います。
まず、自院サーバのどこかにチャットルームをつくり(下の例では http(s)://自院アドレス/test)、そこにブラウザで入室する。ルームの名称はなんでもOK。
患者さんには、そのアドレスを教え、ブラウザでそのアドレスを踏んでもらう。今回は Mac のクロームで入室。
患者役がいなかったので椅子で代用したのは大目に見て(笑)。
なお、今回の例では、映像・音声データはブラウザ間を流れ、サーバはあくまでそのアシストをしているのみ。とにかく高速でデータを流す。
つくりながらオンライン視察のガイドラインをちらちら眺めましたが、役所的にはこちらの仕様の方がいいようですね(下手にサーバにデータを蓄積させると漏洩のリスクがあるから)。
ところでこの手の新技術を取り込む際には、パッケージングというのが頭を悩ます問題。
メドレーのクリニクスというシステムは、電子カルテ+オルカ(というレセコン)+オンライン診察を一体化したそうだが、ガイドライン的なものを横においてもそういう「密」なパッケージングがよいのかどうか?
ちなみに国のガイドラインはこの手の「密」なアプローチを推奨していないように思えます。
『オンライン診療の適切な実施に関する指針(案) – 厚生労働省』
この分野がまだ発展段階であることを考えると、各サブシステム同士は「疎」にゆるく結合させておいた方が将来的な拡張などを考えるといいように思うのだが、どうだろう?
また、実際的な利用場面を想定すると、患者さんの同一性をどう担保するかといった問題がある。
個人的な意見をいわせてもらえれば、
医療等IDの社会的・インフラ的確立→遠隔医療・医薬看介連携システムの整備
と進んだ方がすっきりしたはずだが、リアルポリティクスでは、なかなかそうは理想的にことが運ばなかったのでしょうね。
ところで、これに関連して電子処方箋のガイドラインもちらっと読みましたが、あのシステムのわかりにくさはいったいなんなんでしょうね?
『JAHIS 電子処方せん実装ガイド Ver.1.0 – 保健医療福祉情報システム』