フーコー『精神医学の権力』書評

精神科シリーズ第三弾。

高校の頃、哲学にも興味があり、フランス語も読めないくせにミシェル・フーコーの著作に惹かれた。全然理解できませんでしたけどね。

医師になり精神科を通過しているときにフーコーの『精神医学の権力』という本を読んだことがある。そのときに某所で書評を書いた。精神科の専門の先生方にも評判がよかったようなので再掲する。 “フーコー『精神医学の権力』書評” の続きを読む

妄想は消えても猜疑心は残る -妄想性障害-

精神科ついでにもう一記事。

精神科には興味があって研修の一環として単科の精神科病院で勉強させてもらったことがある。良い研修病院の条件の一つに「症例が豊富なこと」というのがあると思う。この点に関しては私が研修を受けた病院は間違いなくあたりであった。研修前は「単科だからS(シゾ、統合失調症のこと)ばっかりだろう」ぐらいに考え、正直あまり期待していなかったのだが、統合失調症といっても様々であるし、統合失調症のように見えて実はバイポーラー、統合失調症なんだけどパニック発作もおこす、なんて症例もあり、研修前の感想がいかに浅薄であったかと今となっては思う。

ところでそういう医師にとって取り組みやすい症例の一つに妄想性障害がある。鑑別疾患として妄想型の統合失調症や認知症があげられるのだろうが、前者とは妄想の広がり方、後者とは妄想以外の社会機能の保たれやすさといった点で違うので鑑別は割合容易だ。要するに「妄想がある」というその一点だけ健常人と異なるのだ。

私が担当した症例は『息子が私の財産を狙っている。いつ殺されるかもわからない!』といって突然家を飛び出し、所持金がなくなるまでホテルを転々としていた高齢の男性であった。(お金がなくなったところで御用→強制入院となったわけですね)

予後が良いことが知られており、薬剤にもよく反応する。興味深いのは寛解の過程で、一言でいうなら「素にもどっていく」という感じである。一時的とはいえ「命を狙われていた」などとトンデモナイ妄想を持った家族の元に帰っていくので、その距離感の縮め方が精神科らしいというかなんとも興味深いものであった。



すごいね、大谷

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手(まあ DH でもあるのだが‥)が、本日(平成 30 年 4 月 2 日)、6 回 3 安打 3 失点の内容でアスレチクスからメジャー初勝利をあげた。

いやあ、オープン戦時の不調はどこへやらって感じですな。

批評家は高速掌返し。

ところで、(今回は敵役ですが)アスレチクスの野球帽は子供の頃から憧れでした。今見てもかっこいいね。(クリックするとアマゾンのページに飛びます)

追記(2018/4/7)‥‥三戦連続本塁打。なにこの漫画的展開。

赤い野球帽流行りそう‥。

ユニフォームもかっこいい。週末になるとこれ着た兄ちゃんたちが大暴れしそう。

 

 

「お医者様」と接待

医師になって初期研修を終えると、それまでのウップンを晴らしたかのようにアルバイトに精を出す。

これは、それなりに良い収入になる。

そういうこともあるのか、この時代になっても「お医者様って儲かるんでしょうね、薬屋さんからの接待とかもあるんでしょう?」などとそれとなく訊かれることも、ままある。

正直、都心部にいると、本業では、さほど儲からない。

収入面に関しては、同世代の金融関係者にかなり水をあけられていると思う。

接待に関しても、一昔前は凄かったらしいが、今は、まったくといっていいほどない。これは製薬メーカーの自主規制が厳しくなってきたためだ。

その代わりといってはなんだが、ネット上での広報活動は活発になり、医療関係のサイトでアンケートにこまめに答えていると、ちょっとしたギフト券なんかはもらえる。

今は、なるべくゆったりと過ごしたいので、しこしことこの手のサイトに足しげく通っている。