HorliX のリアルな使われ方ってこんな感じでしょう

「知り合いの知り合い」みたいな先生なのですが、現役精神科医の高木希奈先生にブログで画像ビューア HorliX を取り上げてもらいました。

COVID-19 による肺炎CT画像!<HorliX にて表示>
(高木希奈オフィシャルブログ)

精神科的には

「精神科って、画像検査必要なの??」

という疑問を抱かれる方も多いかもしれません。

精神科と言えども、もちろん画像は取り扱います。

まず、精神疾患の診断をつけるためには、器質性疾患(身体的な疾患)の除外が必要なので、受診されたらまずは、血液検査、心電図、頭部CTやMRI,心電図、脳波などの身体的な検査を行います。

さらに

認知症疑いの患者さんの脳CTやMRI画像のチェックは必須ですし、大学では 統合失調症の患者さんの画像解析などは、一つの研究テーマにもなっています。

というのは常識なんですが、世間一般にはあまり伝わってないかなと思います。

それはともかくご紹介ありがとうございまーす。

 

猪股弘明(精神科医:精神保健指定医)

 

医療画像の fusion とは?

今回は医療画像の fusion (一種の画像合成)のお話。
諸々の事情で MR(Magnetic Resonance 磁気共鳴)系の fusion を取り扱っていた。

なお、MRI って何?って方は、『MRI とは? -その1-』・『MRI とは? -その2-』・『MRI とは? -その3-』あたりをご覧ください。特に『その2』のスピンの説明はけっこう好評のようです。

 

しかし、MRI のプロトン密度強調画像程度でことが済んでいればいいんですが、この分野の技術進歩は速い。「拡散」強調(という撮像法。水分子の「拡散」というより「移動」といった方が正確なような気もしますが、ここでは慣例に従います)などは、以前より脳梗塞急性期の診断などに使われている。

大脳右半球に広範な梗塞像(白いところ)が見られる

上の画像は、脳梗塞の拡散強調像(DWI… Diffusion Weighted Image)です。拡散「強調」とは言うものの、実際に撮像するときは、移動しているプロトンからの信号を抑えるような工夫をするので、水分子が動きにくくなっている部位は、高信号になります。梗塞部位に含まれる水分子は、正常組織に比べ「動きにくく」なっているため、結果として梗塞部位は高輝度(白い)領域となって描出されます。

拡散強調画像は、基本 T2 強調画像をベースにしているので、本当に知りたい水分子の挙動(大抵の病変部で水分子は「見かけ」上、拡散しにくくなる。梗塞しかり、癌しかり)を取り出したい。このとき元の拡散強調画像より T2 などの影響を排除するため ADC(Appearant Diffusion Coefficient 「見かけ」の拡散定数) Map というのをつくる。
症例によっては DWI では異常を認めず、ADC Map で低信号(ときには高信号)となって描出されることがあるからだ。
水分子の拡散の度合いを知る上ではこの ADC Map は大変便利なのだが、その反面、組織のコントラストが普段見慣れているそれと違って形態などが読み取りにくい。ストレートに言えば「どこを見ているかわかりにくい」のだ。

この欠点を補うため、解剖学的な形態が読み取りやすい T1 強調画像に ADC Map を適宜「着色」した画像を重ね合わせると、医療者にとって「どこで何がおこっているか」直感的に理解しやすい画像が得られる。

一般に特定の情報を持った画像とそれとは別の情報を反映した画像を「位置を合わせて」合成して表示させることを fusion と言います。PET と CT の fusion はよく知られた例です。(参考:『PET/CT フージョン画像』)

右側頭葉(画像では左)に何かありますね

今回は、T1 強調に ADC Color Map ともいうべき画像を fusion させたわけです。もちろん、HorliX 使いまくり。規格(DICOM)があることゆえ私一人では決められない問題もあったりするのですが、目処がたったらプラグインの形でまとめたいと思っています。

 

猪股弘明(精神科医、理学士)

 

それは一枚の画像から始まった

Orthanc という医療画像サーバーのメーリングリストに 「皮膚の .png 画像 ↓

ダイコム化できない!」という人がいたので、HorliX のプラグイン機能(Jpeg To DICOM plugin)を使ってダイコムファイルとして取り込んでみた。
ついでで HorliX で3D表示。

けっこうカッコよくないでしょうか?

これは擬似的に3次元化しているだけなので、医学的にはあまり意味はないんですが、とある計測装置で深さ情報を取得してこれができるとそれなりに意味があるかなと。
デルマ(皮膚科)のことはもうかなり忘れてますが。

個人的にはソフトよりも実計測の方が好きなんですよね。

猪股弘明(皮膚科でも病理医でもなく精神科医)


医療情報としては、ダイコムとして取り込んでお話はお終いになってしまうんでしょうが、医療はここから始まる。

この画像見たら、大抵の医師ならば

黒子(ほくろ)? それとも悪性黒色腫?

と思うはずだ。

悪性黒色腫は、色素細胞が悪性化(癌化)したもので、だから「ほくろの癌」などとも言われる。初期の段階で発見・適切な治療を行えば比較的予後は良いが、うっかり放置して癌がある程度の段階まで進行してしまうと5年生存率は 50 %をきるかなりタチの悪い癌なのだ。

一般的に癌の治療は、進行度によって異なる。初期の段階ならば部分的な切除ですむところが、進行して、例えばリンパ節に転移しているような場合には、当然、原発巣から遠く離れた部位までの手術を考えなければいけなくなる。「癌は早期発見が重要」と言われるゆえんだ。
ちなみに悪性黒色腫の場合の病期分類は以下のようになっている。

国立がん研究センターのサイトより

病期(ステージ)が IA, IB ならば部分切除ですむ(し、予後も良い)が、ステージ IV まで進行していた場合、手術に加え放射線治療や化学療法も組み合わせないといけない(し、奏功するとも限らない)。

また、病期を決めるにあたって腫瘍の厚さが重要な指標になっているのがわかるかと思う。「とある計測装置で深さ情報を取得してこれができるとそれなりに意味がある」と書いたのはこういった理由による。

 

今日の HorliX (2019/03/07)

医療画像ビューア HorliX は、Mac AppStore で世界に配信されている。
個人情報の収集はまったくしていないが、各国プラットフォームでどの程度売れたかは報告があがってくる。
顔本内では、そのデータを見て仲間内で盛り上がっていたのだが、こちらでも。


日本での顧客を増やすべく、ちょっと前に頑張って販売価格を1万以下、つまり
¥11800 → ¥9800
にしたのだが(なってますよね?)、全然反応しない日本市場(笑)。

海外では、ポーランド・イタリア・韓国でしっかり反応が出る。未だにユーザーの過半数は海外だ。

 

韓国は、実は初上陸。これで販売実績国は37。

 

猪股弘明(精神科:精神保健指定医)
OpenDolphin-2.7m, HorliX 開発者


しかし、よく売れていたものです。
こことかこことかにも痕跡が(笑)。

それはそうと
フリーかつオープンソースな医療画像ビューア HorliX について
COVID-19 による肺炎CT画像! <HorliXにて表示>
DICOM Viewer の準備
某先生 tweet
など
ご紹介ありがとうございます。

STAY HUNGRY, STAY FOOLISH

私は横浜に住んでいるが、東京近郊の中では横浜は個性的な会社・ショップ・飲食店が多いように思う。

本日、冬に備え、

下 に 何 を 着 て い て も コ ン ビ ニ に い け る

ようにパーカーを購入した。

 

エジプト神話のセト神の下に Jobs のスピーチで一躍有名になった

STAY HUNGRY, STAY FOOLISH

の言葉が。

この意味がわかる人だけ買ってくれればいいという凄まじく割り切りのいいデザインだ。

なお、セト神は兄オシリスを殺害したため、『兄殺し』と呼ばれ、オシリスの子ホルスとはライバルの関係にある。

Osiris を殺害し、Horus のライバル…

本当に私にぴったりなのかもしれない(謎)。

よくわからない人はここここへ。

 

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