現在のところ精神科医としてはECTが研究テーマなのでこのお話をします。
ECTとは ElectroConvulsive Therapy の略で、日本語では電気けいれん療法と呼ばれている。
もともとは、「てんかん患者は統合失調症になりにくい」という経験論に基づいて発想された治療法(が、その後、この考え方は否定されている)。
人間の頭部に電気を通電するとけいれんが誘発されるが、けいれん誘発後しばらくするとうつがよくなったり、精神運動興奮がおさまったりする。
治療目的のみで使われているなら問題はなかったのだが、米国でも日本でも精神障害者の懲罰目的で使われていた精神医療の黒歴史とも言える時代が一時期あり、その反省から長らくその使用がタブー視されていた。
『カッコーの巣の上で』でジャックニコルソンがかけられていたので、それを通じてここら辺の経緯をご存知の方もいるかもしれません。

ところが適正に使用されれば、抗うつ薬や抗精神病薬より効果があることがわかりはじめ、近年は再評価され標準的な治療法に組み込まれている。
猪股弘明(精神科医)
