Orthanc という医療画像サーバーのメーリングリストに 「皮膚の .png 画像 ↓
がダイコム化できない!」という人がいたので、HorliX のプラグイン機能(Jpeg To DICOM plugin)を使ってダイコムファイルとして取り込んでみた。
ついでで HorliX で3D表示。
けっこうカッコよくないでしょうか?
これは擬似的に3次元化しているだけなので、医学的にはあまり意味はないんですが、とある計測装置で深さ情報を取得してこれができるとそれなりに意味があるかなと。
デルマ(皮膚科)のことはもうかなり忘れてますが。
個人的にはソフトよりも実計測の方が好きなんですよね。
猪股弘明(皮膚科でも病理医でもなく精神科医)
医療情報としては、ダイコムとして取り込んでお話はお終いになってしまうんでしょうが、医療はここから始まる。
この画像見たら、大抵の医師ならば
黒子(ほくろ)? それとも悪性黒色腫?
と思うはずだ。
悪性黒色腫は、色素細胞が悪性化(癌化)したもので、だから「ほくろの癌」などとも言われる。初期の段階で発見・適切な治療を行えば比較的予後は良いが、うっかり放置して癌がある程度の段階まで進行してしまうと5年生存率は 50 %をきるかなりタチの悪い癌なのだ。
一般的に癌の治療は、進行度によって異なる。初期の段階ならば部分的な切除ですむところが、進行して、例えばリンパ節に転移しているような場合には、当然、原発巣から遠く離れた部位までの手術を考えなければいけなくなる。「癌は早期発見が重要」と言われるゆえんだ。
ちなみに悪性黒色腫の場合の病期分類は以下のようになっている。
病期(ステージ)が IA, IB ならば部分切除ですむ(し、予後も良い)が、ステージ IV まで進行していた場合、手術に加え放射線治療や化学療法も組み合わせないといけない(し、奏功するとも限らない)。
また、病期を決めるにあたって腫瘍の厚さが重要な指標になっているのがわかるかと思う。「とある計測装置で深さ情報を取得してこれができるとそれなりに意味がある」と書いたのはこういった理由による。