OpenDolphin HTML/PDF Viewer プロジェクトとOpenDolphin Viewer プロジェクト

以前から、Save the DolphinS の「データ移行ツール」に関しては、手入れしてみたいと思っていた。
色々あったが、結局、コードの修正を施してまずまずのところまで完成。一連の経過記録を『OpenDolphin HTML/PDF Viewer プロジェクト』にまとめた。

そこでは(混乱すると悪いので)触れていなかったのだが、同時並行で OpenDolphin Viewer プロジェクトというのも進行していた。

OpenDolphin の場合、カルテ記載内容は JTextPane という Java が提供する GUI の部品を使って表示させているのだが(厳密には JTextPane をカスタマイズして使用しているのだが、機能は継承されているのでこのように考えて差し支えない)、建前としては html も表示できることになっている。

だから、カルテを視認するだけであれば、データベース上の情報をパースして html に変換、それをそのまま JTextPane に表示させればいい。

こちらのアプローチの方が自然に感じられるかもしれないが、私も含めて関係者はこちらのプロジェクト、つまり OpenDolphin Viewer プロジェクトは失敗すると予想していた。

なぜか?

日本ではこの手の情報はあまり普及していないようなのだが、海外のサイトでは「 swing (Java の古い GUI のライブラリ)の JTextPane では、凝ったレイアウトの html は正常表示できない。やりたければ JavaFX(Java の新しい GUI ライブラリ)を使え」というのが半ば常識と化していたのを我々が知っていたから。

うまくいかないのはほぼ分かっていたが、どの程度うまくいかないかはやってみないとわからない。
レガシーなソフトを取り扱うことはよくあるので、試してみる価値はあると考えた。

前置きが長くなったので、実例を示す。

以下のようなカルテがあったとき

OpenDolphin HTML/PDF Viewer の方は、

とレイアウトなどもほぼ再現された html ファイルを吐き出す。
この html を OpenDolphin Viewer の JTextPane に流し込むとこうなる。

そんなに悪くないと思う人もいるかもしれないが、

・斜字体属性が反映されない

・スプリットデザイン(画面を縦に分割しているデザイン)は完全無視

というアラは目に付く。
特に後者は致命的だと感じた。
この程度の CSS スタイルも反映されないようでは、より複雑なデザインにした場合、もっと悲惨なことになることは想像に難しくない。

しばらくはこのプロジェクトは SSD の肥やし・GitHub の漂流物となるだろうが、別目的で使える可能性はなくはないので(この話は長くなるので割愛)、継続して保存はしておく予定だ。

 

 

猪股弘明

 

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