臨床心理士とカーンバーグの人格構造論

知り合いのメンタルクリニックで「臨床心理士業務+α」をしてくれる人を募集しているのだが、全然人が集まらないんだそうだ。けっこう人気がでそうな職種なのに、不思議だ。「+α」の部分は、受付だったり、事務的な仕事だったりするので、これがネックとなっているんだろうか?

ところでメンタルクリニックの外来をやっていると予診を心理士さんがやってくれることが多いが、プレゼンの仕方に何か違和感を覚えることが多い。

私は、初診ではおおざっぱに見立てをして、必要があれば投薬。以降、面接を重ねながら診断を確定させていったり、薬の反応から処方内容を修正したり、という感じで進めている。

この最初の「おおざっぱな見立て」をするにあたって根拠としているのは、カーンバーグの人格構造論というやつで私はたいへん重宝している。が、心理士さんたちは(知識としては習っているのだろうが)あまりこの考え方に重きをおいていないようだ。

というわけでカーンバーグの人格構造論のポイントを解説。

神経症性パーソナリティ構造…抑圧を中心とする防衛…ヒステリー傾向・強迫性・自己愛性

境界性パーソナリティ構造…スプリッティングを中心とする原始的防衛…境界性・統合失調質

精神病性パーソナリティ構造…原始的防衛…統合失調型

と実におおざっぱに分類している。カーンバーグは人格障害に対してこの分類を適用しているが、実際には統合失調症圏、神経症圏に拡張して考えてもそう大きな間違いではないように思う。というのは防衛機制の使われ方がこれらの疾患患者では対応する人格障害の場合とほぼ同様に働くから。

原始的防衛というのがちょっとわかりにくいが、「妄想・魔術的思考などと読み換えるとしっくりくると思う。

 

猪股弘明(精神保健指定医)
Twitter: @H_Inomata (猪股弘明)

 

(追記)

↓ にまとめました。

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(追記2)ここ↓でもちょっぴり

メンヘラーのためのメンタルヘルス本(2)

取り上げてもらいました。感謝!

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