shading? or lighting?

ところで、画像処理マワリをやっていて気がついたのだが、horlix で VR(ボリュームレンダリング)させたとき、ツールバーに shading というアイテムが出現する。

ちなみに、shading にチェックを入れると

こういう画像が得られる。

 

shading のチェックを外すと

画像はこのようになる。

単なる lighting ですね。ambient, diffuse や specular なども lighting に関わる用語です。

最近では、位置情報を含めて GPU 描画させることを shading という呼び方をすることが多いので、若干、気になった。

細かいところですが。

 

HorliX on Mac OS11 Big Sur

以前から Mac の次期OS Big Sur は開発者向けにベータ版は配布されていたのだが、先日、RC (Release Candidate リリース候補バージョン) も公開され、正式リリースもそろそろといったところだろうか。
→ 11月初旬に正式リリース。11.0 は不具合も多かったので、すぐに 11.0.1にアップデートされました。
→ 11.0.1 も後述するようなバグ?があったので、12月14日に 11.1 にアップデートされました。

今回の改訂では、UI もけっこう変更になっているので、当方としてもそれなりの対応は不可避だと思っているが、とりあえずこれまでのバージョンでどの程度動作するかチェックしてみた。

まず、起動時の画面だが、ここはまったく問題なし。

 

続いて、2D Viewer のチェック。
ここも 11.1 では問題なし(M1, Intel Mac とも)。

ただし、11.0.1 では以下のような不具合がありました。


なぜか意味不明のバーが出現し、そのおかげで本来のツールバーが上下方向に縮んでいる
→ バーが出現したのではなく、各種アイコンを載せているツールバーがアイコンに合わせて自動で伸びてくれないことが原因のようです。

機能的には問題ないようなのだが(2Dビューア上で「副」クリックするとROI などの各種メニューが出現する)、ここはなんとかしたいですね。


3D表示機能を VR(ボリュームレンダリング)でチェック。

見た目上は問題なし。
ただ、CLUT でプリセットを使おうとするとレインボーカーソルがでて、それ以上先に進まない。この不具合は、ある程度、心当たりがあるので、この点を重視してデバッグしていこうと思っている。

 

HorliX 開発チーム

HorliX on Mac OSX Catalina

Catalina の正式版がいつのまにかリリースされていたので、アップデート。

HorliX は無事動いているようです。

最新、Ver1.0.7 は、ダウンロードページからどうぞ。
日本語で使いたい方は、(もちろん)Japanese Ver を落としてください。

アノテーションの「文字化け?」について

日本では報告されていなかったのですが、2D ビューアや 3D ビューア上で描画されるテキスト文字が解読できないくらい乱れるという問題が指摘されていました。
HorliX であれば

github issues: HorliX with CATALINA , TEXT LINE ILLEGIBLE

Horos であれば、

github issues: Length assessment bug [ROI] , Annotation colour is green, cannot change after update Catalina

あたり。

報告されているとはいっても、かなり特殊な条件でしかおこらないようなので対応を後回しにしていたのですが、3次元表示(ボリュームレンダリングなど)あたりのコードを整理・手直ししていたときに、「あ、そういうことか」と思い当たる節があり、下記のような操作を実行してみたところ上手くいきました。

HorliX のメーリングリストに流したのですが、ここでも解説します。

かなり特殊な実行環境だと思うのですが、ROI などを使った場合、


というようにまるっきり文字が読めない現象が出現するときがある。
このバグが生じるのは、実行環境の Mac のモニターのカラープロファイルが意図せぬ設定になっているせいなので、これを修正する。
具体的には、まず、画面左上にある林檎マークをクリックしてメニューアイテムを表示して『このMacについて』を選ぶ。

するとパネルが現れるので、『ディスプレイ』を表示させ、パネル右下の『”ディスプレイ”環境設定…』ボタンをクリック。

するとディスプレイ設定パネルが出現する。
ここで『カラー』を選ぶ。するとカラープロファイルの設定画面に切り替わる。

文字が判読できないような場合、ディスプレイプロファイルが『一般RGBプロファイル』以外になっているので、これを『一般RGBプロファイル』に選び直す。

この設定変更の後、再度アプリを立ち上げると

と文字が正常に表示されるようになります。

ソースコードレベルでの修正は検討しているところです。(できれば OS の側で修正して欲しいんですが)

その他

今のところ、Catalina 移行に伴うバグらしいバグは上がってきていません。

今後の予定

3次元表示周りは、今一つコードが整理しきれていない印象があるので、ここは現在修正中です。

VR (ボリュームレンダリング)

なお、上記のサンプルは MacOS BigSur でも無事に動いています。

今後の予定(追加)

Volume Rendering のところを整理する、みたいなことを言ってましたが、ここはどう頑張っても OpenGL になってしまうので(VTK の機能を利用しているため)、Metal で同様の機能を書いてみました。

オリジナル同様、RayCast Mapping という手法を使ってます。

OpenGL は廃止になることがわかっているため、こちらの方がいいでしょう。

 

HorliX on OSX 10.15 Catalina (Beta)

Catalina の正式版に関する記事はこちら(↓)で。

HorliX on Mac OSX Catalina


Mac OSX の次期バージョン Catalina (OSX 10.15) のベータ版を Mac の一台にアップデート。
HorliX を走らせてみたが、試しに 2D Viewer での表示や 3D Viewer でボリュームレンダリングさせても問題なく動いた。
詳しい検証はこれからだが、主要な機能は使えるかと。

 

Catalina の正式版に関する記事はこちら(↓)で。

HorliX on Mac OSX Catalina

HorliX 開発チーム

 

MacPro の衝撃

先日、MacPro の今秋の発売がアップルから公式にアナウンスされた。

当初は、その形状から「おろし金」などと言われていたが、徐々にそのハイスペックぶりに注目が集まっている。なにしろ、RAM だけで 1.5T 積めるらしい。
今から思うと OSX が「OpenGL 非推奨、Metal 推奨」になったのはこの布石だったのかもしれない。
画像処理を重視するなら、GPU を低レベルから操作できる Metal の方が処理速度の点で有利になることが予想される。現状では、OpenGL の Ver3, 4 の方が Metal より速いようであるが、コードが熟成すれば Metal の方が速くなりそうだ。
業務用途で凝った3Dキャラをストレスなく動かすには、ここまで必要なのかもしれない。ちょっとした画像処理でここまでの必要性があるのか判断しかねるが、アップルからしてみれば「業務用の高負荷のかかる映像処理は、Metal 対応のソフトで MacPro を使いなさいよ」ということなのだろう。

こういった明確なメッセージは、アップルらしいなあと思える。

 

 

HorliX カスタマイズ案件

HorliX は、AppStore から撤退を余儀なくされたわけだが、やはりというべきか、直接問い合わせ・カスタマイズが増えるようになってきた。
先日、某医療系団体からこんな問い合わせがあった。一部掲載。


メールにてもうちょっと詳細な技術的な回答をおこなったが、ここでも軽く解説しておくと…

シネマティックレンダリング→おそらく無理です。シネマティックレンダリングは、確か、複数の光源を設置し、その反射光をかなりのレベルまで計算させないと(有名メーカーがおこなっているようなレベルの)奇麗な画像は得られないと思います。現行のアルゴリズムを少々いじった程度ではでは難しい。

・・・と言ってたんですが、M1 + Metal のパフォーマンスがかなりのもので、シネマティックレンダリングまではいかなくても、かなりの画像が得られそうです。

試しに椎骨のポリゴンモデルを単一照明で3D描画させたんですが、リアルタイムで上のような画像が得られました。ちなみに私は Metal は初心者ですし、3DCGの lighting に関してもそんなに詳しくないので、そんなに凝った手法は使えないのですが、その割にけっこう綺麗な画像ではないでしょうか。
動画はこちらからどうぞ。

(ボクセルなどの)独自計算アノテーション→領域が確定したボクセルを数え上げるのは、さほど難しくない。問題は、数え上げたい領域をセグメントすることで、プラグイン作成の難易度は、領域を確定させるアルゴリズムによると思う。可能なものであれば前向きに取り組みたい。

こういう質疑応答はなんかいいですね。

ただ、基本的には従来版の HorliX のソースコードは公開しているわけだし、基本的にはプラグインの類は自分で作成してほしいと考えています。
理工系のトレーニングを受けていない医療関係者はしょうがないと思います。が、臨床工学技士や診療放射線技師など医療職でも技術よりの方はその素養がある程度あるわけですから、勉強だと思って取り組んでほしいなあと思います。

 

猪股弘明
医師:精神科(精神保健指定医

HorliX plugin のインストール方法(Plugins Manager 経由)

Mac App Store 版だとプラグイン(plugin)のインストールに不具合があったのだが、サンドボックスを切ったバージョンではプラグインマネージャーを経由してプラグインがインストールできる。
以下、簡単に解説。

まず。メニューより Plugins -> Plugins Manager… を選択。

すると Plugins Manager が起動するので、HorliX Plugins を選択、その後各種プラグインを選択する。ここでは JPEG to DICOM とします。

右下の Download & Install を押下すると、その名の通りダウンロードとインストールが始まります。

インストール時にインストールするユーザー(アカウント)のパスワード入力が求められると思いますが、Mac にログインする時のパスワードを入力してください。

使う場合は、再度メニューより Plugins を選択。JPEG to DICOM は Database というカテゴリに入っている(JPEG 画像をデータベースに取り込む)ため、ここから JPEG to DICOM を選びます。

するとファイル取り込み用のダイアログが現れるので、患者名などを適宜入力して、取り込んでください。

データベースペーンで

となっていれば、取り込みが完了しているはずです。

お疲れ様でした。

 

HorliX sandbox 版からのデータ移行

HorliX MacAppStore 版では、sandbox 機能が強制的にオンになっているため、データなどが特殊領域(しばしばコンテナ領域といわれる)に書き込まれています。
具体的には、以下にありますので、AppStore 版から移行される際には、この HorliX Data を『書類』などに移動させてデータ移行させてください。

HorliX Mac AppStore 版配信停止、しばらくは直接お申し込みください

HorliX は、以前は、Mac AppStore からも配信していたのですが、AppStore のポリシー変更で配布ができなくなってしまいました。
今後は、弊社 PHAZOR Market で配信する予定です。
ダウンロードサイトが稼働するまではコンタクトページより直接お申し込みください。

MacAppStore 版は sandbox 機能が ON になっていましたが、院内利用の際に使いにくいため、今後は sandbox 機能 OFF で提供いたします。

なお、価格(サポート料など)は 19800〜 円とさせていただきます。
特別にカスタマイズを入れなければ、これで十分使えるかと思います。


(追記)直接配信も浸透してきたようで、医療訴訟を専門とする弁護士さんも使われているようです。


これは盲点でした。

猪股弘明
医師(精神科):精神保健指定医

 

Web Server 機能 -iPad の場合-

HorliX の機能のうち小規模診療所などで喜ばれることの多い機能に Web Server 機能がある。(元々は OsiriX の機能だが)
これはネットワーク上で HorliX をウェブサーバーとして使い、他端末のブラウザでサーバーの画像を閲覧できるようにするという機能だ。さすがに3次元構成像やシリーズものは無理だが、ちょっとしたレントゲン像なら iPad などでチェックすることができる。Windows 機なら weasis が立ち上がる。
設定はいたって簡単。
設定(preference)画面で Web Server を押下。
すると、設定ダイアログが出てくるので、Activate the built-in Web Server にチェックを入れ、IP アドレスとポート番号を適切に設定する。

これで、サーバーが立ち上がる(リスタートすればより確実)。

サーバーが立ち上がった状態で、例えば iPad のブラウザで上記のアドレスにアクセスする(この場合なら http://192.168.100.108:3333 )。
すると…

とポータル画面が出現する。あとは、閲覧したい画像を検索画面を使って選んでいく。

胸部レントゲン程度なら、こんな感じで表示されます。

簡易なものですが、これで、施設内 LAN に繋がっている iPad などから HorliX データベースの画像が閲覧できるようになります。